蛙鳴
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こどもの日 祝日とせし人 讃えたしこどもは国の宝と思へば
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みどりの日新緑溢る官庁街かつての職場ビルのあの窓
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この国の宝は何かと問うテスト答えに悩むか憲法記念日
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快晴の五月の空は突き抜けて介護の日々を少し忘れる
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春の雨庭には白き卯の花の散りこぼしたる朝のしづけさ
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八時半白衣に変わり列をなす雨降る朝の工場の敷地
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外は雨 膝に乗る猫下ろしたり四月最後の食事の支度
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君は多分みかんの木から生まれたるアゲハ蝶来てふるさと思ふ
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茹でたての熱を感じるそら豆の縫い目をそっと触ってみたり
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青嵐 滴る山を登り行く梢の若葉 葉裏を見せて
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天長節 誕生日からみどりの日 昭和の日へと暦揺れしか
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痛む歯を抜き去るべきか思案するチャーハン噛まず飲み込む昼餉
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陽光や真夏日告ぐるアナウンサー 氷アリマス 書き文字躍る
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へそ天で万歳をして眠る猫世界の幸せ独り占めして
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卯の花の夜陰に楚々とたたずめり猫の額の庭の真ん中
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ところでさ昨夜は何を食べたっけ 答えられぬがビールは飲む母
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春の雨若葉の青さ洗い出す君と帰りし遠き日の道
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放課後の図書館通り並びゆく青葉の下に口数少なく
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図書館に問題を解く君の気配近くにありて単語帳見る
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ニュースにもならなくなりし戦争の弔ひあまた続く今日かな
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ポロポロと四月の雨の落ちる朝母送り出すデイサービスの日
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震災や戦争のこと思ひても一杯ひとつきの酒飲むべくあるらし
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絹布団掛けたるやうな春の夕無人機攻撃続く国あり
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紛争で石油来ないと世は騒ぐざらめ煎餅パリパリと食む
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アゲハ蝶みかんの若葉に産む卵小さな命ぞ薬撒くのか
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のど自慢観てると日曜終わっちゃう後ろめたさと諦めの午後
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町内に独居老人あまたをり回覧板が安否を問ひぬ
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外は四月光る風吹く日曜に香典返しのカタログ開く
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高原のウグイス思ふ四月の日亡き子の歳を数へてゐるか/連作「カッコウとウグイス」3
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朝霧の晴れて消えゆく高原に天を貫くカッコウの声/連作「カッコウとウグイス」1
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