咲弥
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日常を詠みながら、うたかたの御縁を嬉しく思います。
自然と読書と登山も好きです。

我が子らの 幼き頃の 夢を見て 何と可愛い 親馬鹿なれり
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稲刈りを 終えた田んぼに 秋の陽が 夏を忘れて 優しく照らす
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白鳥も 水面下では 懸命に 足を動かし 優雅に泳ぐ
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一日を 三十一文字みそひともじに 収めつつ 疲れた今日を 丸めて捨てる
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風のが 秋を知らせる 夕べかな 越えるべきもの 川面に浮かぶ
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不器用に 生きてきたなと 思う朝 雨に打たれて 晴れ待つ苗木
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この海を 美しいまま 残せたら 願いよ届け 美ら海の島
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ありのまま 等身大で ありのまま 時の運まで 引き受けて生く
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走馬灯 忘れられない 思い出を 花束のよう 両手で抱え
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茶のラベル 表ほうじ茶 裏煎茶 思わず笑ふ マルシェの土産
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御朱印を 頂く手には 白檀の 香りかすかに 秋の禅寺
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夢の中 二度と会えない人達に 会えた悦び 彼岸花咲く
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うたかたの 皆の短歌が 愛おしく 人間らしさ ずしりと沁みる
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幼き日 祖母に抱かれた 温もりを この細胞が 記憶している
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いつの日か 希望から絶望 変わり果て 失ってから 気付くものあり
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雨止みて 虹のかかるる 西の空 明日もいい日と あまがえる鳴く
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夕方の 空を切り取り 秋の色 貼り付けてみて ススキが揺れる
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大木が ある日倒れた 根元には こぼれた種が 苗木となりて
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ほこり舞ふ 人が行き交う 交差点 絡まった糸 風のいたずら
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ガラスペン 時間をかけて ゆっくりと 集まるインク 優しさ滲むにじむ
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困難に 立ち向かう日が 続くとも 追い風を受け 漕ぎ出づるのみ
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猫たちが 夏草の上 戯れり 目で追う先に 初秋のトンボ
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空の青 海の青にも 勝るよな 青い鍋にて 夏野菜煮る
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盆過ぎて 秋の虫たち 鳴き始め 蒸した空にも 涼風届く
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幸せに 気付ける者が 幸せで 星の数ほど 散りばめられて
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自死をした 友の最後の 後悔は まだ頑張れた 死にたくなかった
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この地球ほしに 感謝だけ述べ 去れたなら 生まれた甲斐が あるといふもの
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やがて来る 冬に備えて 餌運ぶ 蟻の行列 阿吽の呼吸
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商品は 保証書付きと 言ふけれど 明日の命の 保証などなし
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最後まで 生きようとして 枝つかむ 蝉の命の たくましきかな
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