ぺんた
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ときどき詠みます。いまは仕事でベトナムに出向中。

この街に来てまで君の面影を追いかけているのかもしれない
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検診の前夜を忘れて酒を飲む だって貴方が来てくれたから
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つらいとか言うより幾分マシだろうあなたの名前を呼んでみている
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カジュアルに生を終えたい新しい靴を買ったよぐらい気楽に
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死の色がずっと近くにいることで私は生きてしまうのだろう
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鈍行で帰るから一緒に飲もう 特急券は思い出にして
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こんなにも日々生きるのに手一杯だというのにもう春一番
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引っ越して半年経ってようやっと段ボール箱を回収に出す
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滑り入る列車を告げて七点の鐘鳴り響く宵の停車場
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たましいの容器うつわとしてのにんげんが出来ていなくて君に会えない
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「成長」は結果じゃないの?最初から自称してまで追うものだっけ?
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あの過去も消せたらいいが今日もまた修正液を買い忘れたよ
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充電器つないだつもり 気付くのは縁も電池も切れたあとだけ
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われもまた御賃金には抗えぬ 二十五日の待ち遠しさよ
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躁だからかくあれかしと暴れては やりすぎるなと止められる日々
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乗車券に特急券を重ねつつ きみの故郷をわがまちにする
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夏ひとつ 雨間に抜けるそよ風と青い味したジンジャー・エール
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雨厭うきみの横顔すら愛し バスなら少し遅れるらしい
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ピンボケた君の笑顔に時が過ぎ 記憶のうえで好きだといえた
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六月は相合傘の時期だから敢えて呼びたい銘々傘めいめいがさ
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たまには、と山奥ゆきの汽車に乗る 切符を買って、鋏をいれて
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果物を10㌔買ってジャムにする ちょっと富豪になった気分で
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わが目には瓶も十字架クロスに見えにけり すべてを暴け In vino veritas.
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にんげんの外側にある知能らがにんげんをバカにつくりかえる
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お別れをしようと告げたこの口が やり直そうの言葉をつぐむ
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軒下で雨宿りする鯉のぼり 裾濡らしても気高くあれよ
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父母ちちははもモテた時代があったこと たまに不思議に思ったりする
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日本酒が好きだときいた君のこと おでんに誘ってよいのだろうか
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ベルを待つ汽車が2両の停車場 誰ひとりとて現れぬまま
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曾祖母の四十九日に手を合わす よくぞこれまで生きてくれたと
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