ぺんた
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ときどき詠みます。いまは仕事でベトナムに出向中。

正方形のはがきは定形外 いちばん定形っぽいのにね
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昼休み立食い蕎麦を掻っ込んで嗚呼吾もまた勤め人なり
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出ていった君の言葉を想いつつ一人前の味噌汁つくる
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京都迄在来線で6時間 3度乗り換え 積読崩し
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すみませんリモートワークと偽って実は半日眠ってました
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飛び降りれば死ねる高さに住みながらどうして一歩踏み出せぬのか
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流星は見えないけれど君もきっと見てるのだろう東京の空
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同窓の結婚ラッシュに焦っても就労ビザでは手に入らない
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「生命の危機を感じる外気温」という書き出しにも飽きてきた
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いつまでも痛い右足 成長痛のせいにして甘えていたい
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おっさんになるということ うっすらと嫌われること あなたからにも。
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「寂しい」か「会いたい」か迷っていたら「おやすみ」とだけ送られてきた
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雨に濡れて希薄になった存在の意義をあつめて乾かしている
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外界との切れ目によって定められ初めてみえる世界のかたち
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辛いとか苦しいとかいう気持ちからネガティブを抜いて「ぴよ」と鳴く夜
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この生は短き夢と知りてなほ鐘嫋々と鳴り渡りけり
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つぎつぎに逃した花火が重なって ついぞ見せない浴衣姿よ
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街へ出て人波に酔う 人生は大後悔の時代のさなか
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ひさびさに自炊などする気になって10個パックの卵を買った
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いつ出すか迷い続けて数ヶ月 クリーニングと婚約指輪/早く出せよ
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この街に来てまで君の面影を追いかけているのかもしれない
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検診の前夜を忘れて酒を飲む だって貴方が来てくれたから
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つらいとか言うより幾分マシだろうあなたの名前を呼んでみている
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カジュアルに生を終えたい新しい靴を買ったよぐらい気楽に
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死の色がずっと近くにいることで私は生きてしまうのだろう
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鈍行で帰るから一緒に飲もう 特急券は思い出にして
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こんなにも日々生きるのに手一杯だというのにもう春一番
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引っ越して半年経ってようやっと段ボール箱を回収に出す
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滑り入る列車を告げて七点の鐘鳴り響く宵の停車場
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たましいの容器うつわとしてのにんげんが出来ていなくて君に会えない
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