鞘森天十里
1
5
投稿数
79

さやもり・あとり | 猫と馬が好きです。

どんな表情(かお)明日は見せてくれるかな遊び疲れて寝る元保護猫
2
山村の荒れ田の中の里桜しづかに咲きてしづかに散りゆく
3
満開の枝垂れ桜に隠るごと命削りて老梅の咲く
5
止まりをる桜の下のパトカーは花の開くを見守りたるか
5
ホヒョコヒョと鶯鳴ける境内は日蓮宗なりホー、法華経
3
わが世をば思ふ様(さま)にて生きたかり子といふものはなくてありなん
1
はたはたと花弁落ちたり木蓮の天が零せし慈雨に打たれて
1
潤む瞳(め)と真一文字の唇の三・一一(けふ)といふ日を背負ひし侍
1
地震(なゐ)ありて地図を取り出し見つめたるあの日の波を如何(いかに)か忘れむ
3
あたたかい記憶の海に今はまだこのまま沈んでいたいだけなの
6
火に懸かり口開(あ)けもがく蜆(しじみ)らの悲鳴を湯の立つ音がかき消す
4
目の痒みくしゃみ鼻水鼻詰まり頭痛肌荒れ滅びよ杉よ
1
人魂の如く闇夜に浮かびしは灯(ひ)の照らしたる白き木蓮
4
ロケットの発射準備の既視感の正体はそうヱヴァンゲリヲン
2
吾が肩に枕し眠る愛(めぐ)き猫腕(かひな)を伸ばし頬に触れくる
3
真冬日の猫の重みとぬくもりと布団の中でとろけたからだ
4
手綱持ち鞍に跨り鎧踏む脛(はぎ)に感ずる愛しきみ駒
2
春雨のあとに洗車機列(つら)なりてピカピカにしても傷は消えざり
2
ふよふよと花の枝先膨らみつ霞のたまご孵化まで半月
1