Utakata
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うたよみん終了にともない移住です。
よろしくお願いします
基本、絵を描いたり短編でも書くような気分なのでフィクションだったり違ったり。
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四時半は夜へひそかにかわりゆく八月半ば老けてゆく月
7
繁る葉が返す陽射しと夏の雲風待つひとの襟元の艶
9
見つめると遠退くように見える空遥か東に光溢して
4
影は黒青空をゆく鳥の背は秘密の色に耀いており
9
キィキィとさびしげに鳴く自転車で進んでくんだそれでもきっと
7
砂嵐たたなくなった真夜中に行き着く場所を見失ってる
8
あおみどり返して光る甲虫の羽程の嘘ひとつわたしに
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降りそうな空に揺れてる斑入りの葉風は身体を透過してゆく
5
居なくなるその事ばかり考えて噛む米粒のほのかな甘み
6
鎧とも呼べない殻は湿ってて甲殻類の死骸の匂い
10
他愛ないお喋りたちは散り泥み心に積もるふかふかな土
4
しなやかでありたいものねとりあえず華奢な僕等はすぐ歪むから
10
やっぱりさ生きてんのって疲れるね五月の影の濃さ見つめつつ
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記憶など縋りつくもの曖昧で拝啓初夏の風は爽やか
3
結晶の尖る方へと走ってけ私の中にまだ浅き黒
5
なにもない空に押し潰されてゆくとても静かで風すらもなく
6
薄闇にじわり躑躅のグラデーション動けば風は生まれてくもの
6
遥か空産み出されてく飛行機の他人事の雲ただ眺めてた
3
透過する湿った風に煽られて上着の裾は闘魚の尾鰭
5
春だろう?霞んでみせろよ少しくらいうつむく先に切れそうな影
4
君が去り言葉は残る胸のうち春ののどかは誰かの痛み
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舗道には散らばる落ち葉雨のあと薄く光って新しい風
3
眼の中をふわり魚は翻り見えてて見ない光啄む
2
夕暮れに想いを込めて踏む影の鬼は変わらずいつも私で
3
さようなら閉じた瞼の境界に紫色の闇は遠退く
2
溜め息の似合う空だないつまでも思い巡らす後悔もあり
7
電線は三日月の顎引っ掛けてまだ明けきれぬ春先の朝
10
暗闇にポツリポツリと白い花穏やかな死が俯いており
3
仰ぎ見る顎のラインの影の中蒼き気配は静かに澱む
2
空の端を縫い留めている電柱の列を追い越し帰る夕暮れ
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