旭日百
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歌を瓶に詰めて流すだけの仕事をしています

蹲る時だけ私の足元できれいな星はゆっくり、回る
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きみという生きもの以外の心臓が止まっていると思い込む春
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君が見た夢の全部を叶えたいわたしにだけは叶えられるよ
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見ないでねあなた、わたしがさしあげる歌はやさしいものだけでいい
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なにをしているんだ私あなたごと抱きしめられないくせに生きるな
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たくさんのまだ見ぬ花があるでしょう あなたが次の春を歩く日
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終わりなど想像するなお前の命は病に負けたりしないあのひとを殺すつもりなら世界ごと終わると思えすべてを恨む
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おしまいになったら俺も何一つ詠めない夜がくるのだろうか
8
ささやかに生きられたならそれでよく、それはそうとして好きに死にたい
7
花、花が、好きです。あれは人間を、優しくさせるひとつの方法。
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運命はないがあなたはそこにいてこれの名前は奇跡だとする
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忘れないことが正しいような気がしていただけで していただけで
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白色が似合うきみのことでしょうからきっと素敵な春をひらうよ
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あなたには別れたとして悪口のひとつでさえも言わないでしょう
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もう雨が止まなくっても冷たさを愛せるようにはなったんですよ
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火は燃えるあなたのことばを種にして(きれいな頬をあかるくみせた)
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ももいろというひらがなに咲きそうな花をさがしに歩きませんか。
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人間を滅ぼし次の文明は愛の言葉を増やして作る
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まっしろの「っ」と「し」の間にしかいない呼吸未満型余白を愛せ
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あの壺に収まってもまだゆうれいできみが永遠にあたたかいのだ
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ほしづきの中にあなたを游がして夢さえ見ずあす、会うためのうた
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春風の中であなたが振り向いて歌とひかりを食べていた午後
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どこまでもこの花束を抱きしめてひとつの春を我がものにせよ
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コーヒーはきらいではない きらいではなくしてくれたあなたはひかり
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まぼろしの花、まぼろしの匂い。やさしい言葉をかくために掻き抱く
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二人では食べ切れそうにないホールケーキが欲しい君、が可愛い
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絶え間なくそして鋭くあたたかくすべての幸をきみにあげます
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わたくしの声のすべてを詩と呼べるあなたの花より柔らかい指
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モーンガータの上をゆく船ならばあなたの悪夢も舳先で裂くよ
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清潔なことばを愛する人の手にノースポールが咲きますように
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