Utakata
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KAZE Zook
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言葉遊びではなく命の声のような歌、明石海人や相良宏さんがいいと思ってます。漢詩が好き。古今調ではなく万葉調の力強さを。
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無表情な叔母の手やにわに飛んできて我が首にあるほくろを叩く
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残生を決めた自由は感じ出す足裏に来る床反力を
4
渋滞の車窓の子とふと目が合えば 互い手を振る アア、繋ガッタ
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寂しさを半分にした切り口は冥冥たる闇あなたのかたち
5
カーテンが頬を二、三回撫でたのに青い空はまだそこにあった
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吉野家で友を迎えし老警備 帰路は一人で夕暮れを征く
8
現実の海より自分の名が付いた錨引き抜き狂気へ舟を
3
未来過去何処にも行ける場所はなく今に閉じ込められたる人々
6
喰って吐くを止めたエレベーターは3から4へ上がってこない
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カエサルは手を高らかに 朝日差すフォロ・ロマーノに花びらは舞う
2
信号が青になる前に渡り出す 定命尽く前はや漕ぎ出でな
1
400のワットでオクラを茄でるとき上にある台風のエナジイ
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せっかちな煙草の香りが漂えば墓参の提灯支度をす
6
産まれゐたうらなき姿態に口付けを 闇と柔らぐ山ふたつとや
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俯いて神の啓示を聞きゐたり 始発の扉の前の人々
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信号の赤と赤とが重なりて止まつたままの刻のなかにゐる
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ラズライト変成しながら時を待ち 萩がゆるりと秋を待ちたり
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すぐ側に降り立つ衝撃神鳴りはムラサキじゃなくてミドリにひかる
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左より燕来たりて頭上越え欄干越えて安寧へ落つ
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顕現せし数千メートルCumulus は青き頭上で高笑ひせり
3
さるすべり入道雲を従えて輪郭線がギラリになってる
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たましいを酒に浸したその人は幻覚の盃 美味そうに干す
2
駆け出せば はしるとわたしが重なって「走る私」に納まっていく
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さびしさをすももくらいの玉にする 思ったよりは硬くて澄まむ
8
崖の横Lの字に曲がった雲に出たちょっとだけある虹は僕だけの虹
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病窓の先の霊園見て曰く世話ぁねぇや とそう笑った
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花首跳ばしもんしろちょうを二つにしソドム滅すツーサイクルの刃
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あ 笑ってる 赤い眼だけの大顔でバスはするりと消えてった
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夏雨の楼門くぐれば玉砂利の雫の音みな回廊に満つ
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とりあえず寂しさはハンガーに掛けといて代わりに取った白シャツで出る
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