甲糸寿
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初心者 

荒れすぎの唇離れしことは君のピアス穴にぴったり収まる
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白目剥き心の底より叫び歌ふメガネボーイは言はばひぐらし
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朝月夜夢中夢むちゅうむ覚めし東よりかすかに薫る明日のけぶり
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納豆はかき混ぜないし笑うツボが同じ僕らを死が別つまで
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藍甕に咲く華は尚色は匂へど青き泡さえ散り散りとなむ
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金木犀青き枝葉で染めにけり銀鼠ぎんねずの色絹艶めかし
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絡まった靴紐解いてくれた君つむじの渦に巻き込まれて恋
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Tシャツを裏返しに干す青空に棚引く雲の汚れなき白さよ
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水母くらげがむすんではひらく海坂うなさかのふたりきりの夏は終はりに
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鍋蓋を盾にし作るミートソース石礫いしつぶて浴び痕残る腕
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君が好き来世へ託す恋心儚く消えるわたしは人魚
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ひさかたの雨鼓あまつづみ聞くも雲居路くもいじを君とふたりで歩調合わせむ
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ほんとうのさいわいはなんだろう銀河鉄道乗換案内
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遠花火君が育てたTシャツに穴あきジーンズよく似合っている
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十八時祭囃子は鳴り響き 夏の終わりの始まりを告ぐ
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雨籠り君持て余しチューハイの琉球玻璃はりの物寂しき色
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わたしまだ昨日を生きていたくって帰れないふたり月は消えゆく
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寂しくて君のうちまでペダル漕ぐ一方その頃海王星では
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愛情=僕の体重×二人の体温×気候変動  熱量を保存
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光の紗は緑葉の屋根をつたいゆく猫は小走りに暗渠を進む
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雷鳴のリズムをベースにライムする雨音と蝉のMCバトル
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始発まで夜通し騒いで撮ってみたプリクラ全員青白い顔
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体重が乗っていない言葉を自由帳の余白に殴り書く
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立秋や炎夏の午后は中華屋で炒飯食らう君に見惚れる
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みうらじゅん いとうせいこう もたいまさこ ぐっとくるひと めがねとひらがな
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コンビニで 買ったばかりの 自由帳 余白に挟む 夏景色かな
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素麺は 10分茹でれば すぐ増える 飼育が楽な 生物です
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音楽が 胸のスイッチ 入れ替えて 悲しみだけを そっとミュート
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夏座敷 吾隙あらば 猫を吸い 猫隙あらば 逃げを張りらむ
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君は大丈夫と云い 僕は大丈夫じゃないと訳す
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