Utakata
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海月ただよう
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さみしさは案外きれいな色をしてサラダを飾るプチトマト、ころ
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影だけはきっと優しい照明を消すから私をすっぽり抱いて
1
橙の石を木陰に蹴飛ばして日だまりひとつ殺してしまう
2
さみしさを飼い慣らす術分からずに窓辺で数える月一つきり
2
悲しみに不意に触れてはなりません海の涙はくらげですから
6
牛と豚ぐちゃぐちゃ混ぜた肉片を焼いて食べたらほら、ヒトの肉
1
下腹部の深紅の月が燃えているおんなに宿る暗い憂鬱
7
雨の降る九月に傘は置いてきた青いインクで手紙を書こう
4
私たち同じブレザー着ているね赤いリボンで理性縛って
4
さみしさのたまごは孵化を待つている繋ぐ手と手に包まれながら
2
ぽけつとを叩いてひとつ飛び出したさよならだけを君にあげやう
4
残酷な平等がある振った君振られた僕を電車は運ぶ
1
手のひらに鉄のにほいをまとはせて私がただの少女だつた日
5
地球義の日付変更線なぞる昨日の君に会って言いたい
1
おつきさまきれいだねえと背なに負ふ甥二歳児に口説かれてゐる
7
秘密基地跡地に出来たコンビニは僕の少年を弔う墓だ
3
軽率な九月をうたう夜が来て静寂のなか鈴を埋めるよ
5
雨粒が夏の名残を溶かす夜わたしは私抱きひとり寝る
6
ああわたしたぶんばかりをつみ重ねにせバビロンが風にくずれる
1
もう来ない今日がとびらをくぐり抜け猫はいまだに帰ってこない
3
コオロギに音痴なやつもおりまして私に愛を迫るんじゃない
6
亀が鳴く世界にぼくがいないのは亀の甲羅の中にいるから
2
手のひらに雨粒握り僕は行くクラゲみたいな月のない夜
4
目覚めれば火星のことは夢になり火星の家畜が地球の社畜に
2
だろう迷路だけどけれどもどの道の先はつづいてつづいてゴール
1
めでたしで終わる童話の本を閉じ再び開く、いまだめでたし
5
痩せ細る貘がぼくを見つめててごめん悪夢は見ないし寝ない
4
鳥になることが出来ぬと知った日に肩甲骨がぽきりと鳴った
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雨の夜ひとりもどったこの部屋の明かりをつけて灯火になる
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おだやかなかたちで並ぶ鶏肉はイオンの棚で安売りされる
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