春木のん
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道産子。三児の母です。よろしくお願いいたします。令和六年冬至から現在まで。

「野の端にあるところ」を開拓し生きて繋いだ命の聖火
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いま生きている人々の詠草の軌跡よどうか次の世代へ
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あと一〇年早く生まれていたのなら会えたでしょうか 遺作に涙す
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ギザギザの心に歌と笑い声しみこんでゆくまあるくなってく
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目の前にいるのは「誰かの子」であり「誰かの親」なの忘れないで
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謝ってほしい空気が見えてたよ透け透けすぎてほんと寒いよ
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嫌だけど噛みついたのはそっちだし消えない毒を味わってほら
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丸餅に砂糖醤油ときな粉かけハーフアンドハーフ召し上がれ
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もち米の蒸した香りが漂ってブザーを待てず鳴く腹の虫
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雪山で遊ぶ子の髪びっしょりと汗で濡れてる夏を先取り
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正座して西南西を向いた子が静かに食べる昼餉の海苔巻き
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辻褄を合わせるように雪が降る望んでいない雪が積もって
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同郷の歌人がつどう公民館 いしずえとなる次の世代の
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大学の授業料分の学費を働き稼ぐ四十路事務員
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「感想」と「評」の違いはわからない 良い詠だってことはわかるよ
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突然の体調不良で泣きじゃくる吾子をトントン抱いて慰め
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右膝が怪我で血塗れる雪の無い道で転んだだけだったのに
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給食の特別メニューが登校を渋る吾子を奮い立たせる
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既読すらならないLINEでも送る報連相や家族の予定
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汚れもの洗った指のあかぎれにクリームを塗るわたしを労る
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目に入る四角いセカイが眩しい 背にしたストーブは温かい
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朝起きてニュースで知った大震災あの映像を忘れられない
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冬休み明ける前夜に見つかった絵日記数学地理のプリント
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「おしずかに」「整理整頓」注文が多い図書室の貼り紙たち
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低い棚に並ぶルパン全集の背表紙の色褪せていたっけ
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手作りの固めのプリンがあるカフェで過ごす時間を忘れるほどに
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成人式帰りの晴れ着姿の子もプリクラ機に集まる令和
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粉雪をかき集めてはダンプ押しひたい汗ばむ降雪の夜
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両面のコピーするのに四苦八苦デジタル化などまだ先のこと
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七草のお茶漬けズズッと飲み込んだ粥を厭う声を流して
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