おにく  フォロー 13 フォロワー 11 投稿数 54

自我がありません

「あの時ね少し君のこと好きだった」深夜2時過ぎのサイゼで告げる 

ざあざあと寄せては返す海を背に思い出せないあの日を思う 

暴力と酒とクスリを排除した美しいまちボクらの墓場 

鈍色の空足元に閉じ込めた水面に落つ一筋の雨 

ゆるやかに死へと近づくぼくたちの集めた言葉流れつく海 

鼻にこびりついて離れない死臭あなたとわたしがここにいた理由 

次々と消えてく明かり我々の命とおなじ手軽さである 

名も知らぬ花をあだ名で呼ぶ君と僕とで作るノアの方舟 

悲しさを薬にしたら何色か分からないけど恐らく甘い 

‪君と離れ離れになるの嫌だから骨になっても手を繋ぎたい‬ 

6時ごろ入るお風呂は特別な日だけまたひとつ歳を重ねた 

混じり気のないコバルトの空の下僕らはどこにも行けない迷子 

オレンジを落としたみたいな夕焼けに明日の天気を思う子供ら 

泡沫の夢の終わりは透明な鳥籠の中から見る世界 

ぼくたちは青白く淡い希死念慮切れたシャンプー 買い帰るのに 

青白い手首を飾る自傷跡愛ほど痛いものなんてない 

てにをはをきちんと使える彼のこと少し気になる放課後の道 

思考などとうにできなくなっている喘ぎ声出すだけの植物 

さようなら悲しくなんてないよなんて嘘をつくのがうまくなったなあ 

止まり木になってくれてた貴方から旅立つ日には雨が降るだろう 

ぷかぷかと浮かぶマシュマロコーヒーの海わたしにはやや甘すぎる 

曖昧な君と僕との境目をなぞる指先赤色の爪 

黒くもやかかる薄暮の橙色君の香りを思い出せない 

空っぽの部屋全て嘘存在と自我を捨てよう月曜の朝 

‪ぼろぼろの靴ぼくたちはずいぶんと遠いとこまで歩いてきたね‬ 

感情のないロボットになりたいという感情をなくしたくない 

緩やかに形を変える柔らかな誰のものでもない我が乳房 

アパートの窓から覗く暮らしには誰かと誰かの愛があるかも 

セカイとはキミとボクとで出来ている安楽死を待つ真っ白な部屋 

ものごとの終わりはいつも突然で挨拶する間もない通り雨