Utakata
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しまりすのすこ
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2024.10月からはじめました。
よろしくお願いします。
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母猫の夢見て乳吸う口元の 小さきまどろみ 起こさぬように
22
我がことに 明け暮れ過ぎし若き日に 今晴れやかに帰らんとぞ思う
12
受話器
越
(
ご
)
し 毎夜弱音を押し戻し 君は知るや 痛みに泣く母
10
手はなさば 堕つる息子にそれもよし こんな夜もある 満月のせい
12
うたかたに うきつ沈みつ秋の夜々 今なにもかもリセットせましか
6
晴れぬ今日 いきぐるしさに立ちすくみ 我の内へとサイレンが鳴る
12
秋の日の
微睡
(
まどろ
)
み背に受く愛猫の心地よき熱 優し目覚めよ
27
ふわり咲く あの日の少女 寄り添いて 母の傷には触れで微笑む
13
憂きことも日々のかけらと秋晴れの 風に新し我に驚く
16
生きること
難
(
かた
)
しとうつむく夜なれば 世の人の皆 遠く届かず
10
弾む声 陽の賑わいの届く朝 遠き息子の平穏にゆるぶ
10
他人事
(
ひとごと
)
のような写真に見入る夜 来し方確かむおぼつかなきに
9
我の名に覚めて「だいじ」とくりかえす わかっていたのにごめんね父さん
16
持て余す痛みに溺る水の底 三十一文字の慰めに浮く
22
やわらかき孫の手とりて娘の名 呟く父はあの日に還る
26
幼子に還りし父が
母
(
つま
)
をよぶ 六十年の我知らぬ時
14
高き空 どうか健やかでと祈る あの日描きし今ではあらねど
13
吹き荒れし日々は彼方に去りつつも 今も我に寄せる浦波
10
花過ぎて実らぬ枝をいかにせむ 無為に過ごした日々ではなくに
13
明日こそはそれでも朝を恐る
夜半
(
やわ
)
幾千超えて遠き明日待つ
17
猛き朝 泡立つ胸に残る
澱
(
おり
)
ただいまの声おそらく君も
9
死を語る子の眼が我を抉る夜 蒼白き部屋ああどうしたら
15
陽の下の先より近き明けぬ夜 潰れし胸に身の置き場なく
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