Utakata
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佐堂織人
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人生は隧道のごと夜が更けるつかれはててランプけすまで
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わずらいて上げし喉頸へ縄かかる 目薬で消ゆたらればのゆめ
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傘閉じて入道雲が過ぎてゆく胸中の子ら追いかけていく
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やれ凌げ傘服麦わら盾として天の熱槍暑気の大戦
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日傘からしたたる熱をぬいつけて蝉のもろ声ふりつもる夏
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通帳のゼロを減らした酒を飲む背中の汗疹にカーテンの後光
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横たわる酒精に溶けた暗闇に伸びっぱなしの髪で時知る
4
水銀の示す三十生み出した
季節
(
真夏
)
は電波で感染りゆく今日
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命とは古びて届くブーケトス擦り切れた茎に花言葉見て
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立ち枯れの枝葉に芽吹く翠翅諸声染みて夏かさね着る
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プリントや家の外にも見当たらぬ何処去ったか涼しき午前
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夢いまや時間だけでは手にできぬ立てた旅程に友の声濡れ
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祖母の知る孫はメロン派伝え聞く掃除駄賃のスイカ齧りつ
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「テグスみたい」指に巻きし若白髪笑う友の隈の青さよ
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仕方なくいつも目眩で生きている書類の山とか空ジョッキとか
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かき揚げのエビの目ぱくりと口に消え人の視線もこうできないのか
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妙薬で生きる悪夢から目を反らす舌の火傷と天ぷら定食
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ペンギンが泳ぐトンネル示しても片手間の君「へえおいしそう」
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磨かれた金貨のごとく黄水仙去りゆく冬へ餞の道
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不登校今や一つの選択だそう言えるのは選べた人だけ
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色失せど鼻腔に残るリラの花思い香の先まだ君がいる
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世人へと花精の矜持御覧じろ雨に打たれど笑みは散らさぬ
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急く人がこぼした氷菓にアリ集るボランティア募集ポスターの下
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青春は歩む先にと思ってた気づけば背後に灯されていた
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悲しいね昨日は五人死んだのかところで今日の晩飯は何?
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端末に送られてくるお祈りにどうりで言うのか「お客は神様」
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夢乗せて走る列車は気づかない諦められたイヤホンの数
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飛ぶ蝶にああなりたいと願うのに飛ぶ蚊を潰して「だって痒いし」
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