川上まゆ
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投稿数
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これだべ、と乗った電車が間違いで目的のある意味ない五分
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躑躅だけ原色で咲く昼が過ぎちょっと手を振る色褪せぬ君
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春はもう此処に在らずと知った時紫陽花の葉の緑色濃く
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苺には五千円まで使えるよ春には春の贅沢がある
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距離バグな二人が並び歩いてる付き合ってるか誰も知らない/癖短歌
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偶然の点と線とが描き出す蜘蛛の災難雨の芸術
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知らぬ花見てこの花と話す人母は季節を知っているのだ
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シャッターを切る音気づき振り向いた君の笑顔が逆光だった
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舌の上踊るヤンニョムやや辛で明日あすのお腹の調子を憂う
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好きだよと言えばよかった目の前でガトーショコラが掠め取られる
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スコーンが奥歯の裏についているミルクで口を濯ぐか迷う
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青空を最初に晴れと書き記す名前も知らぬ遠き騒客
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「夏が来る!」ところで僕のお出かけはローソンだけになってしまった
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路地裏を流れる風に少し乗り足を延ばすとローソンに着く
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ふりしきる桜の花を避けながらつま先だけは夏にはみ出る
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明日あすは謎今日の気持ちもわからない僕は風になんてなれない
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夕暮れはパステルピンクこの空の生きる時間はとても短い
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葉桜や君は夕日に照らされて黄金色に輝く明日
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散り際の花の脇から鮮やかな新芽が覗く春第二弾
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昨日まで空白く染む花びらが散る地瀝青、つま先で踏む
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空仰ぎ掲げたレンズ風吹けば花びらが降る晴天の春
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木蓮の花が茶色く散っている白のニットがもう暑い春
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春はじめ桜颪の雨が降る濡れた道路に光る花びら
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夕飯はケロッグコーンフロスティ私は夜に子供に戻る
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朝焼けに透かして赤い君の耳少し齧れば血の味がする
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秋風が前の季節を追い立てて胸の間に夏隠れ、汗
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疫神えきじんを祀る祠を破壊して村の乙女と駆け落ちしたい/Xで祠流行ってた
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芥子の花育てて一発当てちゃってあなたに一把分けてあげたい
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早起きは三文の徳顔知らぬ君とマンゴージュースに乾杯
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「つらいせき、喉の痛みに効く」飴を用法守らず舐める「美味しい」
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