はなれはなれ
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音漏れの環境音の中に知る 聴いたことないセミの鳴き声
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読みさしの本も、涙も、宿題も、ぜーんぶ見ないふりでねむるの、
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愛して も抱き締めてよ も助けて も言えないからあたし、こんななの
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都合ゐゝ無機質として使はれることを愛とは呼ばないのだよ
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生きていく、このままずっと。って予感 たぶんあたしはひとりのままで
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空降りて山降りて森降りて 風 われの足首撫でてをりたり
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お天道様「加算[発光]」の出ずる 富士「比較[喑]」のかかとあたり
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スズメバチが罠にかかったの見てる女子高生なら私ですが…
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ゴールデン・ウィークは畑で読書を 私、みんなより大人である
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さわられたとこから腐敗していってわたしが消費されていくこと
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散歩中すれ違うふわふわのいぬ、ほかほかごはんの炊けたかほり
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愛される疑似体験だけ、ください それで満足してみせるので。
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処処に啼鳥を聞かずに二度寝する 生きるいみなどないものだよな
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食事ではなく胃袋に物詰めるようで テレビもつけず昼食
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おとうとよ君死にたまふことなかれ 去年のけふは私もだつた
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のうずいよ躁と鬱とを違いてし うらうらがえし迷子のあたし
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ぎゅっとして抱き締めてハグして抱擁して抱いて助けてほしいや
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バス待ちて皆いちやうにこうべ垂れすまほ覚えた海馬のやうかな
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アライグマ、レッサーパンダに囲まれし きのう布団を干した日のゆめ
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税率は10% 月一で一週間は必需ですけど
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信号がみんな赤に見える角度 僕だけ知ってる わけじゃないこと
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七時限目が自習の日 「すきなひと」「彼氏彼女が」 我短歌詠む
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いかつめのおじさんの足元歩く トイプードルがモップみたいに
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ぎりぎりぎり胃の捻れる五時限目 時計 あと五分から動かず
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昨日食べたラムネアイス色の朝 午後の授業はマラソンだけど
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内臓の壁の剥がるる音して抱きしめてくれるあなたはおらず
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弁当に貼りしなぞなぞ「母より」と 朝あの人は腹痛だった
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人の居ぬ家の柿の木揺れるなりすずめの子らが啄むからよ
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きらいだとフリック入力き、いだと なんか全部がどうでもいいや
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冬風を抱きしわれの汗粒よ風呂に布団にかえりたまえよ
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