岡久生
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noteもやってます。
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あったかいコーヒー全部売り切れの自販機の前たたずめる人
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雨の名残り滲(にじ)める空のさざ波によどむ空気を鴉声(あせい)引き裂く
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思い出は電車に乗って帰り道川面に映るみかんの夕陽
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空に冬の見えたる朝の尾根道を行けばすすきの穂は光りたり
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坂の上の空き家の庭をいっぱいにコスモス咲けり 荒れにけるかも
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誰がためか悲しかるらむ すすきの穂遠ざかる見ゆ 秋の夕暮れ
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草の葉の切っ先にいて風に揺れるオレンジ色の羽の蝶々
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歌いつつ自転車を漕ぐ人が行く秋の真昼の心地よければ
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青柿の枝をはなれて地に落つるまでの時間を思い遣る朝
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種々(くさぐさ)の虫の音色を聞き分けて秋の夜(よ)夢の中で覚めたり
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八月(はちがつ)の光る地面に百日紅梢(こずえ)の影を揺らして燃える
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ギボウシの花咲く朝に妹を納棺のため車に乗せる
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まっすぐな坂を登れば風が吹き風が吹くなかこの夜を眠る
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白樫(しらかし)の枝葉の茂りそが中の雉鳩の巣をたれか毀(こぼ)ちぬ
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風の中に草の香りのふくらんで雨雲走る空の遠くを
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ギボウシの薄い緑の葉を濡らし雨は降る降る天高くより
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朝曇り雉鳩の声響くなり谷間の駅へ続く坂道
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行くバスの一瞬窓を過(よぎ)りたる白くて淡い梨の花群(はなむら)
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ひともとの木に紅白の花が咲くこともあるなり駅への坂道
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山雀(やまがら)の枝伝い行く街路樹の桜の花は勝(あ)げて数ふべし
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なづの木のさやさやなびく川底に揺れる魚は空の上に眠る
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亡き人と暗き道にて語り合う夢から覚めて涙に気づく
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あてどない営みと知り繰り返し手を振っている人の苦しみ
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夜明け前の冷えた地面に横たわる人の胸にある黒い塊
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白い月のそばをゆっくり遠ざかる飛行機を見る人の悲しさ
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冬の日の午後の日向(ひなた)の果ての無さ観音堂の鐘鳴り渡る
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高行くや飛行機雲は夕陽受け送電線の彼方を進む
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川の面(おも)に白さ一瞬はじけ飛び小鷺(こさぎ)が一羽川上(かわかみ)に飛ぶ
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街に出て見上げてみれば黄葉(もみぢ)せるメタセコイヤは空に突き立つ
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鉢植えのコーヒーの葉に秋の陽はゆらりと照りて風は止まりぬ
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