Utakata
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岡久生
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あてどない営みと知り繰り返し手を振っている人の苦しみ
9
夜明け前の冷えた地面に横たわる人の胸にある黒い塊
5
白い月のそばをゆっくり遠ざかる飛行機を見る人の悲しさ
14
冬の日の午後の
日向
(
ひなた
)
の果ての無さ観音堂の鐘鳴り渡る
12
高行くや飛行機雲は夕陽受け送電線の彼方を進む
11
川の
面
(
おも
)
に白さ一瞬はじけ飛び
小鷺
(
こさぎ
)
が一羽
川上
(
かわかみ
)
に飛ぶ
12
街に出て見上げてみれば
黄葉
(
もみぢ
)
せるメタセコイヤは空に突き立つ
16
鉢植えのコーヒーの葉に秋の陽はゆらりと照りて風は止まりぬ
19
夜明け前上がれる雨に黒く濡れ青空映し光るアスファルト
8
ひよどりの羽ばたきながら動かざる梢の風は強く吹くらし
8
布団からはみ出た足の寒き朝ねじ巻き時計の音のひそけさ
14
夜の底光の溜まるバス停が遠くにありて遠雷聞こゆ
17
坂道の自分の影をゆっくりと追いかけゆけば草の香ぞする
14
平日のためのアラームが日曜の朝に鳴る 遠くて消しに行けない
10
朝日さす障子の白さ鬱のある人にも目覚めの時訪れる
19
メロディーがゆるりゆるりとほどけきり
静寂
(
しじま
)
満ちたり
小
(
ち
)
さきオルゴールにより
10
空に雲庭に花にら群れ咲いて我が唇にヘルペスのあり
17
花にらを屋根に咲かせて住む人の朝餉の膳の目玉焼きかな
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