岡久生
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noteもやってます。
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まっすぐな坂を登れば風が吹き風が吹くなかこの夜を眠る
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白樫しらかしの枝葉の茂りそが中の雉鳩の巣をたれかこぼちぬ
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風の中に草の香りのふくらんで雨雲走る空の遠くを
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ギボウシの薄い緑の葉を濡らし雨は降る降る天高くより
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朝曇り雉鳩の声響くなり谷間の駅へ続く坂道
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行くバスの一瞬窓をよぎりたる白くて淡い梨の花群はなむら
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ひともとの木に紅白の花が咲くこともあるなり駅への坂道
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山雀やまがらの枝伝い行く街路樹の桜の花はげて数ふべし
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なづの木のさやさやなびく川底に揺れる魚は空の上に眠る
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亡き人と暗き道にて語り合う夢から覚めて涙に気づく
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あてどない営みと知り繰り返し手を振っている人の苦しみ
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夜明け前の冷えた地面に横たわる人の胸にある黒い塊
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白い月のそばをゆっくり遠ざかる飛行機を見る人の悲しさ
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冬の日の午後の日向ひなたの果ての無さ観音堂の鐘鳴り渡る
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高行くや飛行機雲は夕陽受け送電線の彼方を進む
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川のおもに白さ一瞬はじけ飛び小鷺こさぎが一羽川上かわかみに飛ぶ
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街に出て見上げてみれば黄葉もみぢせるメタセコイヤは空に突き立つ
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鉢植えのコーヒーの葉に秋の陽はゆらりと照りて風は止まりぬ
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夜明け前上がれる雨に黒く濡れ青空映し光るアスファルト
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ひよどりの羽ばたきながら動かざる梢の風は強く吹くらし
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布団からはみ出た足の寒き朝ねじ巻き時計の音のひそけさ
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夜の底光の溜まるバス停が遠くにありて遠雷聞こゆ
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坂道の自分の影をゆっくりと追いかけゆけば草の香ぞする
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平日のためのアラームが日曜の朝に鳴る 遠くて消しに行けない
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朝日さす障子の白さ鬱のある人にも目覚めの時訪れる
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メロディーがゆるりゆるりとほどけきり静寂しじま満ちたりさきオルゴールにより
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空に雲庭に花にら群れ咲いて我が唇にヘルペスのあり
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花にらを屋根に咲かせて住む人の朝餉の膳の目玉焼きかな
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