Utakata
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三条
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あなたにも知られないまま溶けてった雪の墓ならここにあるから
12
雪の夜にわたしの弱さが溶けていくつま先だけがまだ温かい
9
捨てられる前に捨てたい 放課後の公園で一人ブランコを漕ぐ
11
暗闇に非常口ひかる 黄緑が憎いあなたの横顔を焼く
6
友だちでいいの、だなんて言わないでおけばよかった 傘が転がる
9
惨めだわ わたしは一人じゃ立てなくて あなたはわたしを忘れて生きる
9
友だちがひとりもいない父を見て育ったからかケンカが怖い
8
本当は早く行きたい恋人も友達さえもいない惑星
3
送るだけ送って消したトーク画面 既読の二文字さえも怖くて
6
会いたいと思う気持ちにつり合いがとれないままに落ちるみずうみ
4
まぼろしの水晶体をぬきさって彗星みたいな人だあなたは
6
「必要のない関係を整理する時です!」なんて簡単に言う
6
目の前で悪口を言う人がいて芯の強さに憧れている
9
もう泡になるのはイヤだ叶わない恋ならそうと言っておいてよ
7
空港を水に沈める永遠に飛び立つことのない夜にいる
7
もう陸は遠い 人魚の私には奪うことしかできない ごめん
6
流れ星拾いに走る今晩のコーンスープに溶かして食べる
11
恐竜が絶滅してもしなくても私とあなたは友だちじゃない
11
正しくはないだろ 港がよく似合うあなたの青いセーラーカラー
4
何度でも許してあげる 何度でもわたしのことを求めてください
11
真夜中のテレビ 八十年が過ぎおとぎ話のような戦争
8
寂しさは苦しさ 一人でいることにいつまでたっても慣れはしなくて
7
「友達」の音の形を確かめる 愛しているとバレないように
10
一人では生きてゆけない
鴇
(
とき
)
だって気高さゆえに絶滅したの
6
傷口にレモンを絞る今はまだ泣き出すほどの痛みでいたい
4
傷口にあなたの
唇
(
くち
)
が触れるとき血は体液のひとつと思う
7
薄皮を剥ぎ取るときのさみしさの中で退職届を綴る
5
壊れたら二度と元には戻れない休職明けの非常階段
11
わたしたちみんなちがってみんないい 家の時計はすべてズレてる
11
根拠なく「大丈夫だよ」と口にすることがあなたの最善でした
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