Utakata
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ねぶそくサーモン
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熱帯夜まぶたを閉じて待っている変わらぬ明日を引き裂く隕石
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このままじゃずっと蛹のままだってわかっていてもホメオスタシス
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ひとりきり隙間からわく虚無の群れ 目をつむっても深い暗闇
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無気力なおばけの部屋を換気する ペトリコールで空を満たして
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かさかさと風で震える三円のコンビニ袋は孤独のたましい
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暗くても快適だから洞穴で暮らす毎日淡い静けさ
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ごみ箱に捨てられていた悲しいをちくちく縫って補修する夜
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咀嚼せず忘れたかった べちょべちょのクッキーみたいな君の泣き顔
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落ちなかったけどまあいっか袖口のカレーの思い出蛍光イエロー
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一人きりの方が楽だし内側なんて知らなくていいよラナンキュラス
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ここまでで誰が終わりと決めたんだ 俺はまだまだ続ける「ンジャメナ」
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陽だまりのやわい手のひらの体温を忘れられない雪の怪獣
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君の目からこぼれた光る水滴をジップロックで保存したかった
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喪失を恐れるがゆえ切り離し そうして何にもなくなった春
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君だけが神さまなんだ、月光のベランダ祈るひとりの宗教
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才能も妻子も友もいないのにいないからなのか虎になれない
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きらめいた鱗に焦がれ夢を見て 陸から海にかえったくじら
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「完璧じゃないものが好き」そう言うと寂しく帰った空飛ぶお椀
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ひどいのね「冬だけ君が好き」なんて ライチョウひつじ布団らの怒り
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じゃがいもを一センチ角に切りながら 今日も何にも変われなかったな
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午前四時集合住宅流水音 自分以外の誰かの存在
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眠れずに光る板見る縋るよに脳まで照らす有毒ブルーライト
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南国のお土産だった小さな瓶 脳裏にちらつく失くした星々
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慣れぬ地名の天気予報聞き目を閉じる いつもと違う心臓の場所
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二百色あるらしい 雪、砂糖、塩、冷凍ごはん、空の履歴書
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次の日の痛みで気付くささやかなわが身にひそむ筋肉のこえ
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もう君はいないとわかっているけれど夜空のアイコン眺めてしまう
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人見知りでさむがりやさんの「しろくま」に似ているらしいおれは人間
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