Utakata
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甘森太一
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昇りだす光のほうへ駆けだした 吾子よ 待っ てて くれ るだろ うか
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温もりに近づきたくてひゆひゆと冬の隙間を抜けてくる風
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まだ好きな北風だったポケットに手を突っ込めば君の温もり
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悲しみもないまぜにして灰色の雲よかみなり雲になるのだ
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本当のわたくしを知るぬばたまの夜の楽天市場のパンダ
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おふくろさま、なんとか笑みを絶やさずに生きているのでご心配なく。
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輪郭を縁取る塗り絵 わたくしはもうはみ出したこともできない
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病室にさやさや揺れる千羽鶴 春の匂いのする方を向く
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こんなやつ初めて見たぜという顔の犬に見られてもう二十分
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タンクレストイレで出来たスペースのようなゆとりの人生でいい
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満月のような光に飛び込んだ級友だけを思い出す夜
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ブレーキのほとんど効かない自転車で下るみたいな恋だってする
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初デートに富士急ハイランドのきっと心尽くしとしての絶叫
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ねえセクシャルバイオレットNo.1 あなたの夢にいっちょ噛ませて
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階段の子らの足音軽くなる五線譜跳ねる音符のように
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「きりつ、れい、ちゃくせき、おはよーございます」とりどり光を湛える蕾
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〈おしとやかマシーン〉か私 会議中なにも言わずに微笑んでいて
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山盛りのポテトは萎びて薄暗い実家の風呂場になめくじ二匹
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短歌では嘘もつくけど短歌には嘘をつかない 愛されもしたい
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大みそか荷台にソリとトナカイを載せて北へと向かうトラック
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バンクシーバンクシー子の手の銃を花へと変えに空に飛んでけ
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玉手箱開けるみたいに世界地図破れば過去に置き去りの壁
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すり切って一合分の米を取る 敗者復活戦はまだある
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神様の機嫌ひとつで白地図を塗りつぶすごと災害が来る
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天使にも輪っかのあればこの子らも死んでいたのか武器を片手に
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裸ではないとばかりの釦ありジンジャーブレッドマン笑いたり
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