れんこん
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投稿数
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夏だから鍛えて出した腹斜筋 秋になっても一緒にいてね
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幸せになってほしいと思うけど一番はただ生きていること
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正しさをどこかに置いてきたような帰り道だけにある重力
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愛があるみたいな顔で抱き合ってこんな大人になってしまった
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痣さえも愛おしいのだ自分ではこんなところにつけられぬから
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かなしみにかなしみ重ねるかのよう会いに行く砂利道の鋭さ
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そういうふうにしか生きられないひと かわいそうだけど私もそう
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絶望の朝だってただそこにいて陽を浴び優しい脈打つ猫
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兄だって子どもだったのだと気付く 今、大人としての私たち
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この人は愛をくれない良い悪いじゃなくてそういう人間性
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手放そうかと思うときよみがえる「すてないで」と泣くとおのわたし
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欲しいものくれない君とここにいて私の欲は増してくばかり
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「わたしには何もできない」無力さが腹のど真ん中に棲んでいる
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もうおとな。だいじょうぶだよおいてかれてもじぶんのあしでもどれるよ
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妹に背を向け兄はブランコの遠心力で涙を飛ばす
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「おはよう」も「おやすみ」もない日々だって それでもわたし寝るし起きるよ
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宿題の残りから目を背けつつ やたらと眠る十五の男子
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今年こそ火垂るの墓を観ようかな ドロップの缶知らぬ我が子と
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キューピーの目だけが光る小児科で聴診器の冷たさが不快
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居座った悲しみならば受け入れてジョンと名づけて飼育してみる
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猫にご飯をあげる時わたし"必要な人間"だね
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熊に桃喰われたニュース 私も食べたい150
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三日月の形で眠る猫の腹わたしが入るスペースは無し
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三日月のかたちで昼寝する我に猫が寄り添い満月になる
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寄せて上げるというよりただ支えるそういうのが好き人もブラも
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口の中メロンいっぱいひろがってこの味のままキスしたい昼
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私たち痛み分け合うことはせず程よく飢えて程よく獣
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数年後わたしはきっと今日の日をもう一度だけ触りたくなる
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泣き叫び床に転がり駄々こねてそれでもわたし許されたかな
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六つの吾待つことだけができること「ねえおかあさんわたしはここよ」
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