Utakata
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れんこん
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「会いたい」と言わずにいれば会えぬまま髪も肩まで伸びるだろうか
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もうそこに閉じ込められたままじゃない 行きたい方へ行ってもいいの
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あなたとの思い出全部この足で上書きしてく 一人で、全部
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吾子が焼くだし巻きの味やさしくて鳶が鷹を産んだと思う
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コオロギの鳴き声よりもチクチクの脛に目をつぶればそれが秋
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いいところだけを選んで抱きしめる器用なわたしでごめんなさい
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紫外線、他人の悪意、死の予兆 目に見えたなら避けられるのに
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いつだって決意の時は下腹に力を込めて闘っていた
9
バリキャリのばあちゃんが煮るかぼちゃには柔らかさなんて微塵もない
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ねぇ、ばあちゃん 貰ったものは何一つ残ってなくてこの血が形見
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夏だから鍛えて出した腹斜筋 秋になっても一緒にいてね
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幸せになってほしいと思うけど一番はただ生きていること
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正しさをどこかに置いてきたような帰り道だけにある重力
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愛があるみたいな顔で抱き合ってこんな大人になってしまった
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痣さえも愛おしいのだ自分ではこんなところにつけられぬから
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かなしみにかなしみ重ねるかのよう会いに行く砂利道の鋭さ
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そういうふうにしか生きられないひと かわいそうだけど私もそう
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絶望の朝だってただそこにいて陽を浴び優しい脈打つ猫
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兄だって子どもだったのだと気付く 今、大人としての私たち
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この人は愛をくれない良い悪いじゃなくてそういう人間性
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手放そうかと思うときよみがえる「すてないで」と泣く
十
(
とお
)
のわたし
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欲しいものくれない君とここにいて私の欲は増してくばかり
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「わたしには何もできない」無力さが腹のど真ん中に棲んでいる
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もうおとな。だいじょうぶだよおいてかれてもじぶんのあしでもどれるよ
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妹に背を向け兄はブランコの遠心力で涙を飛ばす
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「おはよう」も「おやすみ」もない日々だって それでもわたし寝るし起きるよ
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宿題の残りから目を背けつつ やたらと眠る十五の男子
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今年こそ火垂るの墓を観ようかな ドロップの缶知らぬ我が子と
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キューピーの目だけが光る小児科で聴診器の冷たさが不快
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居座った悲しみならば受け入れてジョンと名づけて飼育してみる
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