ともりゆめ
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初心者です。
よろしくお願いします  令和七年五月二十五日

高速の流れる景色にすすきの穂 秋の日差しの川面のように
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片道の四時間かけて実家へと 母の海馬にわれ残すため
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雨降りの通勤時間の渋滞に赤いためいきともりつらなる
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苦手だとずっと避けてたゴーヤでも 友とのランチで美味しく感じ
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読書中「臘月」の字の見えなくて 二本の指で拡大……できず
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梨ひとつ贖いつまと食む夕餉 名前どおりの幸せの水
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久々に元同僚のLINEあり 踊りだす文字うれしい知らせ
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火を灯しふぅーと吹き消すそのあいだ ケーキの上にめぐる走馬灯
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繊細な心のひだを持ちながら長く咲かせる百日紅であれ/息子の誕生日に
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二学期の始まりの朝子どもたちどうか生きてね生きてるだけで
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ポテポテと床に押された足あとは風呂まで吾を追いかけし猫の
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朝涼の車のかげにたらちねの猫は乳あげ仔猫のひとつ
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わたくしの気持ち次第で蝉の声 憂いにも悦びにも聞こえ
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いつもなら野球をみてる時間だが虫の音ばかり響く食卓
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ねこたちに休みはないから日曜も同じ時間にご飯をねだる
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今日もまた暑くなるのか 涼風と虫の音いたる朝の平和よ
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我がつまの作りしカレーは絶品で娘を誘う口実にもなり
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いつだって元気なふりの向日葵の夕暮れの背にかける労い
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猫たちはやっと気づいた冷却のマットの良さに 夏も終盤
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パッと見はコミュニケーションできるふうなれど氷河をあるくわれなり
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風力の白の巨大なプロペラは誰より早く季節にさわる
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夕散歩うれしい犬に負けぬほど嬉しい顔で先を走る子
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玄関の日々草にちにちそうの白さやか呼び込む風の秋のひとさじ
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夏雲の濃い影は行くゆっくりと山から山へ涼しさ配る
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本、食器、洋服、夏の大掃除 休みの成果に満足の夜
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鳥の名を読めぬし知らぬ吾がいて調べて夏の研究のごと
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丸茄子はゆるキャラめいてやわらかく和でも洋でも映える存在
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君の居ぬ夜も気になるパリーグのゆくえ見守る猫と一緒に
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百日紅さるすべり炎天下でこそ輝いて強い紅色生きる喜び
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雨つづき桜のみきの黒怖し とおき地域を祈るしかなし
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