ともりゆめ
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憧れながら一歩が踏み出せませんでした
毎日の機微を花びら集めるように綴ってみたくて始めます
よろしくお願いします  令和七年五月二十五日

猫とわれ 旅から帰るご主人を忠犬ふうに玄関で待つ
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色づいた紫陽花ひとつ切ってやる 父旅行るす中の母想う子に
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朝起きてきみの布団にもぐったらなんとそこは温泉だった
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手作りのてるてる坊主みな笑顔 空を見上げて園児と歌う
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笑ってた ひとり下校の中学生ほほえましくて疲れ吹き飛ぶ
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夢を見て重い夜闇やあんを引きずってた 澄み切った空に目覚めをもらう
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ひそやかな竹林に咲くシャガの花白い炎は闇を燃やして
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走り梅雨 綿のカーテンしっとりと窓開けしまま朝になりけり
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日に添えて葉っぱも木陰も空気まで濃くなっていく桜並木よ
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梅雨入りのニュース聞こえし朝支度弁当包みにアジサイ咲かせ
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テンセルの青いブラウス軽やかで ここだけ晴れて信号を待つ
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店先にスイカが並ぶ 浮き立った気持ちがしぼむふたり暮らしよ
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パジャマからはみ出す腕が求めるはぬるい肌掛け六月の朝
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切るだけのサラダはトマト新玉ねぎしんたまで せめておめかしガラスの皿で
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君みたい風に揺れてるカモミールほほえみ香り僕を励ます
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デッサンの途中のような足場消え朝日をうけて歩道橋立つ
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雨含み抱き合うように重なった薄紅うすくれないのバラにがさす
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ギュギュギュっと押し込みつめるお弁当朝ラッシュに似てわたしもダッシュ
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ざんざんと降り続くごと蛙鳴く月のない夜埋め尽くすまで
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美しい雨の名前を一つずつビーズのように通す休日
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朝散歩小川眺める秋田犬あきたいぬそぼ降る雨に傘を傾げて
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おしゃれより何より薄い服を着て勇み出でたり健診は雨
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古絵本過ぎし年月いとおしく繕ったなら我も癒され
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満天の星という名をつけた人 そのとおりです満天星躑躅ドウダンツツジ
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紅花と満天星躑躅ドウダンツツジが生けてある 一から十までうつくし蕎麦屋
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ふわさらり そよ風みたいな ワンピース 「空の巣」を出て 楽しみさがし
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今日は早番はや 明日あすは遅番 明後日は わたしは宇宙漂う迷子
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薄黄色モッコウバラがはらはらと 降り積もる降り積もれ幸せ /娘の誕生日に
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背を丸めフレンチトースト作る君ひだまり色に我包まれり
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芝ととも刈り倒された除虫菊泣き出しそうな空に白、凛
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