Utakata
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すずめ
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光太夫幾度夢に見た事かさざなみ寄せる白子の港
5
闇の中かすかに見える煙突の麓に1人湯屋番が立つ
9
あの頃の思い出そっとしまい置く一瞬の様で永遠の様
10
こんなにも広い我が家は久しぶり引っ越す前の最後の夜に
14
青空にたなびく雲が知らぬ間に僕ら二人を追い抜いていく
17
雨上がり置いていかれた蝙蝠は今どのあたり走り続ける
9
通学路行く手を阻む水溜まりどんな海より広く大きく
7
幼子が長靴で蹴る水溜まりはしゃぐ姿が
飛沫
(
しぶき
)
で見えず
7
もし君がまだあの場所にいるのならどんな言葉をかけてあげよう
10
不意に来る不安が心に立ち止まる中々帰らぬお客のように
8
持つものは宙ぶらりんな心だけ確かなことなどないのだけれど
10
こんなにもあなたと会う日は輝いて月も隠れたこの夜さえも
8
老いていきありがたきもの増えていく駅のホームのベンチのように
11
ふつふつと湧いた怒りが抜けていくコップの中のサイダーみたい
12
草原で星を見上げて手を伸ばす一つ二つとポッケの中へ
12
進む度落ちる夕日が遠ざかり確かに僕はここにいるのに
11
陽の光差し込む部屋と気だるさと携帯から鳴る朝を呼ぶ声
6
風の中ゆらゆら揺れる木の隣誇らしそうに電柱が立つ
11
メガホンを楽しく叩く小さい子今は相手の攻撃だけれど
13
砂浜に文字書く君は誇らしげ消すな大波もう少しだけ
13
波の上僕ら辿りし道筋が白く残りてやがて消えゆく
6
記憶より随分高い防波堤変わらぬ物などないのだけれど
8
「次もまたどこかの街で会いましょう」祭りのあとの駐車場にて
8
岸壁で旅立ちを待つ
漁
(
いさ
)
り船大漁旗がドレスのように
7
この心分厚く覆う雨雲を予報できたらどんなに良いか
10
「故障中」紙が貼られたパソコンを労うように画面を撫でる
6
靴音が大きく響く静寂で音無く語るルノワールの絵
8
君を待つその瞬間だけいつもより時計の針が早い気がして
3
ステージに向かい拳を突き上げる手と手と手と手ギターが響く
5
いつからか道に置かれたぬいぐるみ誰の迎えを待ち続けてる
6
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