すずめ
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投稿数
58

初心者です

草原で星を見上げて手を伸ばす一つ二つとポッケの中へ
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進む度落ちる夕日が遠ざかり確かに僕はここにいるのに
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陽の光差し込む部屋と気だるさと携帯から鳴る朝を呼ぶ声
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風の中ゆらゆら揺れる木の隣誇らしそうに電柱が立つ
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メガホンを楽しく叩く小さい子今は相手の攻撃だけれど
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砂浜に文字書く君は誇らしげ消すな大波もう少しだけ
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波の上僕ら辿りし道筋が白く残りてやがて消えゆく
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記憶より随分高い防波堤変わらぬ物などないのだけれど
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「次もまたどこかの街で会いましょう」祭りのあとの駐車場にて
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岸壁で旅立ちを待ついさり船大漁旗がドレスのように
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この心分厚く覆う雨雲を予報できたらどんなに良いか
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「故障中」紙が貼られたパソコンを労うように画面を撫でる
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靴音が大きく響く静寂で音無く語るルノワールの絵
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君を待つその瞬間だけいつもより時計の針が早い気がして
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ステージに向かい拳を突き上げる手と手と手と手ギターが響く
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いつからか道に置かれたぬいぐるみ誰の迎えを待ち続けてる
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錆びた門古き机に朽ちた屋根思い出だけが色褪せぬまま
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あの人に僕も見たよと言いたくて探すドラマの名はうろ覚え
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ぽたぽたと垂れる涙が凍りつき氷柱つららとなりて心に刺さる
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大地蹴る蹄の音を聞きながら地団駄を踏み馬券を破る
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きっとまた会う日が来ると引っ込めた言葉は今もしまわれたまま
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花束を君に贈ったこの手だが今日引鉄ひきがねを初めて引いた
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あと少し続き見たくて目を閉じるあの夏の日のあの人の夢
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私よりそんなに仕事が大事かと帰ってくるまで吠え続ける犬
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いつもより一人少ないバス停で少し気を揉む名も知らぬのに
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遊ぶ輪を隠れて覗く男の子一歩踏み出す勇気はあるか
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夏の日に頭上を超えた白球が今も心に落ちてこぬまま
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明日こそはきっと何かがあるはずと信じるふりして生きざるを得ず
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