Utakata
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渡 弘道
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ページ捲れば伊豆の踊子暗闇に絶景望む露天風呂
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ミニトマト七つ三で割るディナー核家族現在進行形
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記念日を覚えてくれて燗つける今宵は早めに久しぶりに
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二十五才眩しい紺の立襟日の丸振ってお腹に手添え
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末娘結納挙げて雛納め二階の整理心の整理
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四十手前の昼下り窓の向こうに帰れぬ古里朝日樓
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帰省して姥捨て山に手を合わす庭の掃除にケアマネージャー
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古池や亀の甲羅に水の円母に子一人空き家予備軍
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月満ちて空のグラスに君眠る黒髪に一筋流れ星
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ナース来て白衣脱ぐのは自分だけこんなわし天国行けますか
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ガチ中華裏から響く怒鳴り声意味不明酸菜俳骨炒麺
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宣告で下向いたまま五号室上向いて一緒に頑張ろう
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七回忌前へと決意新たに猛暑去り風が頬撫でる夜
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定年や十五日までまだ遠い九時まで我慢半額セール
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愛娘赤飯炊けば六つの花庭の梅蕾膨らむ頃
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忘れた頃に貴女から便り玉手箱出社前の保育園
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闇黒の古庭に咲く蝉一つ嫁酒五合つまみも切れて
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快晴や君に抱かれて二人乗り胸の圧そっと風に流し
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妻帰り点滴ぽつり時刻む窓から漏れる遠くの花火
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夏の宵目合わさず大久保公園令和の果ての大和撫子
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春霖や六畳の年金暮らしヘルパーさん今日も有り難う
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ナイルに偽りの桜百億流し江戸を制さん女帝かな
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子供部屋おじさんに箪笥の肥しこの国もまだまだ捨てたもんじゃないっすね
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昔の恋より便り染井吉野派遣先の名無き労働者
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ワイパーが時刻む重い沈黙一人娘父の介護へと
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スミマセンノミホウダイワドコデスカ七尺男六尺女
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ささくれや昨日の悪口か今日の嫉妬か人差し指つくづくと
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五つの孫に貯金崩して七段飾り宵越しの銭持たず
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雪解け静かに窓辺の小川隣の布団捲れて月の夜
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残雪や空巣に落ちる日影かな三十九の娘嫁がせて
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