Utakata
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藤方のんた
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架空
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右の頬 殴られたならただ泣いた 今と変わらぬ 九歳の夏
4
ティラミスの白いとこだけ食べている きみのくちびる 甘い芳香
2
肥大した祈りはいずれ枷となり きみを地面に縛るのだろう
5
眉ひそめ「馬鹿じゃないの」と言ってみる アイシテルなんて死んでも言わない
3
青空が顔を出すから手を振った 触れられぬ君にせめて祈りを
3
立つ・座る・寝る それだけじゃ足りなくて 夢見る無重力の寝台
2
それも嘘、叶わなかった。あれもこれも ~十年前の自分に宛てて
2
「雨だから」理由になっていなくても構わなかった 握る冷えた手
7
ただそこに居るだけで肯定される そういう猫にわたしはなりたい
3
何ものかに為らねばならぬと言われても ぷいと横向き 己を生きる
2
無果汁のジュースみたいな恋でした 甘い言葉の正体見たり
7
たとえばだ あんたが絵の具だったなら
筆
(
ぼく
)
に絡んで落ちないだろう
2
誰も彼も 恋なんてものを狂信し 泣くわ笑うわ 今日も忙し
2
行列のつくれぬラーメン屋に向かい テイクアウトのどんぶり貰う
2
もし明日 雪が降ったら別れよう 真夏の夜に五度目の誓い
4
野良犬も息を潜める午前二時 境を失くす 恋と憎しみ
4
あなただけは何も知らないままでいい 今夜こぼれた涙のいろも
4
手足からぽろりぽろぽろ朽ちていく これでようやく綿雲になれる
1
早いうちに閉じ込めておけばよかったな ※この物語たちはフィクションです
2
「生きていて」儀式のように乞い願う 百遍は見た最後の書き込み
3
何もかも陽炎だったというならば少し笑える気がした、九月
2
またいつか。君が笑って幾星霜 今日も愚直に信じています
3
指先で真っ赤な華を咲かせましょう わたしを見ないきみの心に
1
うちの妻 イヤよイヤよの平手打ち 部長の(自称)渾身のギャグ
2
SUM関数 打ち間違いを見落として 焦る同期の コーヒー冷める
2
ほら見ろよ ピックアップは幻だ 信じるものは回転数だけ
1
一番線 君のほほえみ参ります 烈しい風に ご注意ください
6
防腐剤・保存料を用いていない あいつの想い 期限はいつなの
3
排水口 何かのごみが 引っかかり はみ出している 午前〇時半
2
うえええん、怖かったよう 大げさにごちてみたならジョッキも笑う
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