Utakata
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うちゅうじん
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うちゅうのひとです。
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すごろくであがりし人の 手遊びに振り回されて駒が磨り減る
2
髪とかし眉を整えめかしこみ 光に誘われ水銀灯へ
0
イメージと動かすリアルかみ合わず 苦笑いする錆びしロボット
3
ひと仕事終えて裸足でズボンたくし上げ 水心地よき勝浦の浜
2
与えよと嘆きし
己
(
おれ
)
が その手から与えしものは稲穂の小銭
2
跳び跳ねて遊ぶ子供ら叱る母 見つつカンカン
夕
(
ゆうべ
)
の踏切
3
来し方の頭の塵がびい玉に はじけ転がり三十一字
2
銚子より乗りたる長距離バスの中
臙脂
(
えんじ
)
の里ゆく夢うつつかな
1
煌々と光るホームのタイル貼り数え 始発を待ちふらふらり
1
わが暮らし 空飛ぶ喜劇であつて呉れ せなに水橋春夫のギタア
1
神として産まれし のちに歯車として生き 果ては人として死ぬ
3
横臥した身体を 縦に裏返し 髪をとかしてその朝を待つ
0
夢うつつ 薄目にゆらぐ壁模様 今宵兎かあしたは蛇か
1
人のため、人のためにと家を出て 梁山泊で饅頭喰らう
1
その音は
己
(
おれ
)
が頭のまぼろしか 右腕を刺す秒刻む針
1
黒髪と
金髪
(
きんがみ
)
が手を握り合う看板 後ろに竜の足裏
1
文具屋の主人を真似し爪を切り いろがみ切らし炭酸を飲む
6
本を読み暮らして 黒き香箱と白き小部屋で生かされてゐる
8
生きる糧得るために 爪割り乍ら床を引き掻く紅い指先
2
午前四時、ひとり背広のなりをして 遊具と戯れ雨粒浴びる
6
珪藻土の床に大の字 ひんやりな頭の上を西日が撫でる
3
ゆかりなきアフリカの角にわが骨を埋めて呉れやと願いを壜に
7
この世への 我が眼の井戸は涸れ果てつ 電子の「曇りのち雨」続く
4
はらからとわらび分け合う楼の上 誰も見上げぬ新宿の街
6
西の空 過ぎ去りし人のゆがむ顔 神は見ずともただ手を合わす
2
コツコツと吏の足音が硬く鳴る 「朝」で停まりし汗ばむ鉛筆
5
海岸の無機質の山 戻せない時間を収める音は無機質
7
バラストの灼ける匂いと風の音ローカル線のホームにひとり
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