おーにそぷ太郎  フォロー 3 フォロワー 4 投稿数 30

詩の中へ嘘を練り込む役割の人差し指じゃいいねはしない 

小銃の安全装置もはずせない自分を恥じて噛むガンモドキ 

ダメの「ダ」を強く発して帰宅後に机に落とす頭突きがひとつ 

唇は不意に動いて出鱈目な歌詞でもいいさ次はイエモン 

切りすぎた眉毛を笑うやつに告ぐ「観察しててくれてありがと」 

駅前を離れてからも四、五分は思い出せない自分の歩幅 

反省を促すように遮断機が行きも帰りも内角を攻め 

草むらを遠く離れて思想家として死んだのだろうこのコオロギは 

ソックスの「ス」のサルベージ完了しベターハーフのあらまほしけれ 

「被災地」のひとつで湯がくラーメンに卵を落とし崩さないでおく 

夕焼けの終わる間際に鬼と目を合わせた子だなこの泣き方は 

振り出しに戻るのマスに父の字で「戻れる場所がまだあるのなら」 

どこまでも信号機しかない夜に波紋としての雨は降ります 

四年目の僕らに訪れた無音Bluetoothが途切れ知る距離 

駅までを並ぶ二人は風向きを読めなくてただミントガム噛む 

街の灯は「かつての私」と同義なる闇を畏れてギッチョバリアす 

仰向けのせみが握った中指は終わるいのちにわずか震えて 

靴音は月を睨んで一つきりキライなものはキライだと言う 

通り雨のレースのかかるステージを横切る人の口元に笑み 

ポン!ポン!とシャンパンのあく空耳を聞いたら大人恋する大人 

ひとり寝の隙間の熱が心地よくこのまま秋になるのだろうか 

忘れ物を取りに帰れば羽だけのセミ横たわりしぼむ八月 

噴水は夏を理由に止められて恋の終わりにカサカサと鳴る 

¥1,000-で四枚セット新しいパンツの僕を見る人もなく 

愛想よいつもりで笑うわれの目は藤田和日郎作かもしれず 

ラスイチのクッキーは乞う狂おしく トドメをさしてくれる勇者を 

誰を乗せ走る列車か君たちのテキサスロングホーンよとどけ 

別れ際伝えたいこと絡まって右手が気づくポケットの穴 

うたた寝に落ちた手を抜けシャーペンの自由な動き一秒二秒 

いつからか夏は巨大な敵となりウルトラマンの中身もやられ