おーにそぷ太郎
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詩の中へ嘘を練り込む役割の人差し指じゃいいねはしない
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小銃の安全装置もはずせない自分を恥じて噛むガンモドキ
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ダメの「ダ」を強く発して帰宅後に机に落とす頭突きがひとつ
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唇は不意に動いて出鱈目な歌詞でもいいさ次はイエモン
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切りすぎた眉毛を笑うやつに告ぐ「観察しててくれてありがと」
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駅前を離れてからも四、五分は思い出せない自分の歩幅
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反省を促すように遮断機が行きも帰りも内角を攻め
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草むらを遠く離れて思想家として死んだのだろうこのコオロギは
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ソックスの「ス」のサルベージ完了しベターハーフのあらまほしけれ
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「被災地」のひとつで湯がくラーメンに卵を落とし崩さないでおく
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夕焼けの終わる間際に鬼と目を合わせた子だなこの泣き方は
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振り出しに戻るのマスに父の字で「戻れる場所がまだあるのなら」
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どこまでも信号機しかない夜に波紋としての雨は降ります
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四年目の僕らに訪れた無音Bluetoothが途切れ知る距離
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駅までを並ぶ二人は風向きを読めなくてただミントガム噛む
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街の灯は「かつての私」と同義なる闇を畏れてギッチョバリアす
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仰向けのせみが握った中指は終わるいのちにわずか震えて
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靴音は月を睨んで一つきりキライなものはキライだと言う
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通り雨のレースのかかるステージを横切る人の口元に笑み
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ポン!ポン!とシャンパンのあく空耳を聞いたら大人恋する大人
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ひとり寝の隙間の熱が心地よくこのまま秋になるのだろうか
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忘れ物を取りに帰れば羽だけのセミ横たわりしぼむ八月
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噴水は夏を理由に止められて恋の終わりにカサカサと鳴る
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¥1,000-で四枚セット新しいパンツの僕を見る人もなく
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愛想よいつもりで笑うわれの目は藤田和日郎作かもしれず
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ラスイチのクッキーは乞う狂おしく トドメをさしてくれる勇者を
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誰を乗せ走る列車か君たちのテキサスロングホーンよとどけ
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別れ際伝えたいこと絡まって右手が気づくポケットの穴
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うたた寝に落ちた手を抜けシャーペンの自由な動き一秒二秒
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いつからか夏は巨大な敵となりウルトラマンの中身もやられ
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