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炒飯と半ライス

いい声でコールセンター電話する またやってるとまわりが笑う
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ファミレスで俺の上着を君にかけ 目が覚めるまでゆっくり食べる
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本当にキミが求めていたものは 出会った頃の何気ない日々
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通学路とぼとぼ戻ってくる奴に 帰りに寄るわと声をかける
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真夜中に俺んちに来て抱いてとか アホかお前はぷよぷよやるぞ
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子どもから大人までもが口ずさむ 流行りの歌が今はもうない
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はっきりと自分の意思で生きている ひとは何人いるのだろうか
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火葬場へマイクロバスで行く途中 追い越して行く原チャの僧侶
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婆ちゃんにお前が悪いと怒られて 縁側に行き爪を切る父
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たい焼きをふたつに割って見比べて 大きい方を自分が食べる
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徹夜明け向かいのビルのコンビニへ 缶コーヒーと菓子パンひとつ
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死ぬ理由無限に言える世の中に 生きる理由を見出す日々
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夕焼けを背に堤防の上の道 横向く君の胸の膨らみ
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かたゆでのたまごをふたつ持たされる アルミホイルに包まれた塩
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父親をオヤジと呼ぶタイミング 失ったままオヤジと呼ばれ
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すれ違うひと皆傘を差している このくらいの雨濡れて帰ろう
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すれ違うひと皆傘を差してない ゆっくり畳む駅の構内
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言い訳が仕事口調になっている 俺は気づいて水を飲み干す
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父親も洒落者だったと俺を見る 十三回忌の法要の前
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真夜中のエロい番組見てるかと 見てはいるけど見ていないふり
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水槽を漂う海月指差して さかさクラゲと無邪気に笑う
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母親が俺の棲み家を聞いてくる 家を出た意味わかっちゃいない
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旧友がふらりと俺の家に来て ポツリポツリと話す母の死
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犯行に使ったナイフは護身用 追い込んだのは世の中なのか?
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酒の席飲んで歌って煙草吸う 母の姿に涙する夜
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ありがとう着て行くところないけれど 月末にメシ行くかそれ着て
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遠慮して値段気にする母親を お店に任せシャツをしつらえ
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加藤茶を「ぺ」の一文字で表記する 友のノートのドリフのコント
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地味な服ばかり着てると老け込むよ 明るい服を買いに連れ出す
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家出してバラバラにしたこの俺が ピースを拾い隙間を埋める
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