大淀かをり
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ここは絶望の淵。
@inokemon.bsky.social
https://note.com/inokemon/

見上げれば天を貫く森タワー 麻布の弟負けられないね
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年老いて未だ気づかぬ愚かさよ 自称短歌のプロパガンダ
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あと一行 ここまでやったら帰ろうと 言いつつ いま もう七行目
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どうせまた待つのだろうと病院へ 遅刻した日はガラガラで
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ドア近く一所懸命根を生やす 大江戸線の大ウド小ウド
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残業をした分今日ははや上がり これが毎日続けばいいなあ
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ようやっと 昼休憩となりぬれど 耳をつんざく いらっしゃいませ
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君とならデートはいつも楽しいが 自分の時間も大切です
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次に来る大江戸線は七分後 その次来るのは三分後
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クソみたい 残業するたびモノ壊す こんなイライラ高校以来
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千円のペンを机に叩きつけ 明日は定時に上がると誓う
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残業は二度とせぬとは思へども やらざるを得ず心を殺す
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朝イチの会議を忘れ癇癪だ ストレスマッハで自我崩壊す
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ガラガラの山手線で日光浴 僕の両側だけ埋まっている
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君とならデートはいつも楽しいが 自分の時間が消えるのは嫌で
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束の間の逢瀬を重ね帰り路に いつかふたりで暮らせるからねと
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生まれては弾け飛ぶまで目で追うは サイダーの泡 君の思い出
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鴨川の 等間隔の灯火に 十年前 君との思い出
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火曜朝 会社の床に倒れ込む そろそろ終わりが近いわね
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鶴橋の名物といえば焼き肉と ファミマを知らぬ世代が叫ぶ
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絶望と呼ばれるカフカのネガティブさ 僕らにとっては入門編
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いるはずの同胞たちと出会えずに 殻の中から世界を見ゆ夜
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心配や気遣いされると知ったらば 何も言わずに消えるが吉か
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健常な陽のオーラに包まれて 堕ちることなど塵も思わず
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ひとりきりのオフィスで集中する私 今週は定時で帰ると信じて
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太陽もいつかは死ぬと心得て 未だに生きる意味があるとは
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泥がつき打ち捨てられしルイヴィトン 我の一年彼の一日
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それからはいつでもどこでも仮想敵 想像し得ぬは幸福と知れ
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時間ない 明日の今頃この世にいない 進まぬ小説 深夜二時
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柔らかい朝陽差し込む山手線 昨夜の騒ぎはどこへやら
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