茉莉歌
5
5
投稿数
29
EだとかSとかNやそんなんじゃ 測りきれない君の器は
6
季節から取り残された寂しさもその移ろいを愛しく抱(いだ)く
10
雨あがり青空映す水たまり ふわり飛び越え飛沫(しぶき)も弾む
16
おにぎりが高くなったとぼやく君 飲み干すビールの缶並べつつ
13
痒くさえなければほんの少しなら あげてもいいと思ってるのに
11
舞台へと向かう白磁のシャツの背に疲れが滲む金曜の朝
19
えらいねと言われる日々のフルメイク 私のための応援ソング
14
樹の上で止むことのないおしゃべりは下校電車の少女らにも似て
13
窓越しの緑を伝う雨粒が 涙のように膨らみこぼる
20
長月の宵になれども湿る肌 夜風に揺れた髪を纏って
15
駅前の夜空に響く歌声に 解(ほど)いた髪をなびかせた帰路
11
重い荷が下りた気がした午後10時 大きな月が笑って見てる
12
メーカーの先端技術に支えられ 公害級の谷間爆誕
8
腑に落ちぬものは呑(の)めぬと啖呵(たんか)切る 妄想をする 午後のオフィス
13
漆黒の羽根をつくろい見下ろせば 交差点には人々の群れ
14
鈍色の空が零(こぼ)した漫(そぞ)ろ雨 車窓を打ってはらはら泣いて
12
半袖の腕をさすった夜風(よるかぜ)がシルクのようで秋が近づく
18
おろしたての白いヒールがキュウキュウとあげる悲鳴に痩身誓(ちか)う
14
くるくると回すパラソル水たまり 濡れる髪さえ楽しかった頃
11
路傍より残暑を眺む猫じゃらし 行き交う車にふわふわ揺れて
19
ビル街の空気が淀む夏の夜 見上げた空に浮かぶ面影
10
通り雨 色が変わったワンピース 貼り付く肌に西日が差して
12
はずむ息 夏草かき分け見下ろせば 群青色の海に白波
9
歳重ね ヨガに筋トレストレッチ メンテナンスで増えるルーティン
8
月曜日 重い身体を引きずって 頭に響く「労働者M」
9
目覚めれば家族は未だ(いまだ)夢の中 ボーナスタイムの空想旅行
9
卓上に赤ワインの影揺らめいて 君の頬にも揃いの薄紅
6
ビル群と一番星に挟まれて 茜(あか)から藍へ移りゆく空
11
夏の夜の湿る空気が孕む香(か)に 遠い記憶が目覚めはじめる
8