Utakata
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茉莉歌
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漆黒の羽根をつくろい見下ろせば 交差点には人々の群れ
10
鈍色の空が
零
(
こぼ
)
した
漫
(
そぞ
)
ろ雨 車窓を打ってはらはら泣いて
10
半袖の腕をさすった
夜風
(
よるかぜ
)
がシルクのようで秋が近づく
15
おろしたての白いヒールがキュウキュウとあげる悲鳴に痩身
誓
(
ちか
)
う
11
くるくると回すパラソル水たまり 濡れる髪さえ楽しかった頃
8
路傍より残暑を眺む猫じゃらし 行き交う車にふわふわ揺れて
17
ビル街の空気が淀む夏の夜 見上げた空に浮かぶ面影
8
通り雨 色が変わったワンピース 貼り付く肌に西日が差して
10
はずむ息 夏草かき分け見下ろせば 群青色の海に白波
7
歳重ね ヨガに筋トレストレッチ メンテナンスで増えるルーティン
6
月曜日 重い身体を引きずって 頭に響く「労働者M」
7
目覚めれば家族は
未だ
(
いまだ
)
夢の中 ボーナスタイムの空想旅行
7
卓上に赤ワインの影揺らめいて 君の頬にも揃いの薄紅
5
ビル群と一番星に挟まれて
茜
(
あか
)
から藍へ移りゆく空
9
夏の夜の湿る空気が孕む
香
(
か
)
に 遠い記憶が目覚めはじめる
5