Utakata
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太郎庵
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行くすゑも処すべき道も
弁
(
わきま
)
へて なほ生き
惑
(
まど
)
ふ浅ましき
吾
(
われ
)
4
夕暮れて連なる尾灯それぞれの思ひを思ふ旧盆の道
9
昔日の幼き吾が見し日々を今夏に結ぶ蝉しぐれ哉
8
余とともに
齢
(
よはひ
)
重ねし街の店の心やさしき品揃へかな
12
美しく聳ゆるビルの壁透かし音に聞こえし磯浜思ほゆ
4
暑き朝、卓の小鉢のパキラ芽の 薄きみどりに涼を覚ゆる
21
今もなほ若人斃るる遠つ国 蒼穹の暮れに祈るほかなし
9
摩天楼立たむ
槌音
(
つちおと
)
ひびく街仰ぎしは上京の日の空 眼裏にあり
6
世を経ても言葉は増えし身なれども夢の君には昔のわれなり
7
夏の朝涼しきところ心得て老猫今日も庭を眺むる
21
初めての
乞巧奠
(
きっこうてん
)
なる名を得たり 句にして笑む母を偲びぬ
5
仰ぎ見し あの日の塔は なお立てど 時代の森に その姿消ゆ
10