Utakata
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桜宮紫乃
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15
穏やかに 支度をしていた 朝なのに 顔を見た途端 波立つこころ
8
抱かれし日 遠き雨音 聞くごとく 今もまぶたに 淡く濡れおり
4
送れない 文を書き継ぐ 夜更けには あなたの名前が いちばん多い
3
汗ぬぐい 自転車こげば 風が吹く 家を離れて やっと息つく
6
積もり積む 小さな不満の その果てに 顔を見るだけ ため息になる
4
なぜ人は 他人の心を 踏みにじり 何事もなく 歩みゆくのか
2
忘れたし 忘れられぬと 胸にあり 古き傷みは 時にも消えず
4
もしあの日 違う未来を 選べたら 今も隣で 笑えていたか
4
もう二度と 届かぬ人と 知りながら 思い出だけが そばに残れり
8
逢えぬとも ふとした時に 名を呼べば 今も心に 灯る面影
4
雨ならぬ 心の雲の 晴れぬまま 今日も言の葉 ひとり抱きおり
4
小さきを 積もる不満と 思いつつ 気づけば心 荒波となる
7
困るよと 言いたき我に 返るのは 「俺が困る」の ひと言ばかり
4
言の葉を こぼしてみれど 届かずに 胸のもやもや 梅雨空に似る
5
はじめての 歌を送りし この胸の 小さき鼓動の 音のみぞする
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