古瀬葉月    フォロー 3 フォロワー 20 投稿数 57

新聞歌壇などに入選した短歌を中心に掲載しています。普段はツイッターにいます。

銀と白、違いの謎を解くときに「光」なる新色に気づいた  1

海原の波間に銀を見たら夏、また雪原に見たならば冬  4

雪たちに初めてがあること知らず犬はよろこびそのものになる  1

絵のような海をながめるその絵とは海があるから生まれたはずだ  5

方舟を知らないけれど方舟を思ってゆるく揺らす あなたを  2

戸棚から調理道具がなだれ出てシャララシャララとこれも幸福  5

血の管は葉脈に似てきみが樹であるなら雨になりたい すきだ  5

ディストピアを抜け出したいって生きつつもコンビニおでんに救われている  3

ほんとうの君を知りたいと言われたわたしを遠い場所から見ていた  0

中尊寺金色堂が開かれるときの手順でただしく眠る  2

むき出しのいのちに触れる深きへとゆけば裸電球のやさしさ  3

映写機は脳裏にあってソビエトの映画みたいにつらい記憶が  5

焦っているふうを装いほどほどに誤字を含ませ遅刻連絡  1

怪物の棲む蜃気楼うつくしいままあれきみの婉曲表現  2

‪ざっくばらんにばらばらになるわたしたち平和は黙殺することですか‬  1

知られるのこわい 知られないのこわい 半透明の家を探した  4

真夜中の信号、自動販売機、わたし、働く路地を照らして  5

遺伝子の乗りものならば僕たちはなんときれいな舟だったろう  5

目をかたく瞑れば見える砂嵐、機械でないと証明できない  2

もうずっと幸せ/不幸という時のか細い線の闇を生きてる  7

終わらない映画のような過去みたい 神経質な雨音がして  5

実物に会っておどろくあの人の名前に顔や声があること  9

椅子などは概念ですし腰かけた途端に立ちどころに現れる  3

感動のさなか震える心臓と皮膚、ひたすらに置き去りの思考  3

shineとは死ねと読めるがほんとうに今年はそんな夏だったのだ  4

なんでもないように振舞うきみの背の皮膚が覚えているアスファルト  1

‪こころにもないことを言いざわざわと魔物が生まれてくるなら今だ‬  5

‪包丁のやいばに触れた冷たさにああまだわたしは人間ですね‬  6

輻輳する(わたしをここに(深部には( )うつろ)探ってみせよう)こころ  4

光射すほうへ僕らは吸いこまれ夜ごと夜ごとにやさしい液晶  3