Utakata
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帆場蔵人
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朝が来るから鉄道路線よ、そろそろ別れの挨拶をしよう
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ひとつの誕生を祝して岩肌に触れた手らみつめている
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朝一番、冬の吐息をふきはらい 血の巡る日にひかりあれ
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火をつけろ 忘れた頃に火をつけろ 繰り返すのが人生だ
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歯の抜けた駐車場、闇に紛れて猫と餌を喰う
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風に舞う 紙屑みたいな優しい手つきで 転がる墓標
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街灯に滲む夜 手を伸ばしてつかむ夜 寄る辺なくよるに
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季節遅れの 西瓜持ち 訪う人に 風鈴しまう手を休め
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段ボール だんだんと庭土に溶け 庭の片隅 月が見送る
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ヒマラヤの岩塩溶かし 四十億の海鳴り ガラス震わせ
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電車賃本より軽い紙幣でも 本では乗れず電車去りゆく
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柚子の香に 陽射しはゆるり ゆるまれば ページをめくる 影も和みて
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息白く小春日和を歌えども 白梅咲かぬふゆは白姫
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包丁の 音も虚ろな ひとり部屋 壁の写真に 未練がうつる
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投げかける 言葉はどこか すれ違い 交わる前に 空言になり
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