Utakata
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LEO
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精神疾患で潰れる寸前の事務員です。
あんしんを握り眠る土曜日は薬を飲まなくても楽な夢
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リストに並ぶ端整な文字は油性ボールペン
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曇った窓ガラスに指先で描いた猫の絵をお守りにして
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アクリルのパーテーション越しに微笑む君と今からフレンチデート
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悪夢にうなされて浅い眠りを繰り返した37.5℃
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あなたから返らぬことば私へと刺さるあなたの冷たい目線
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咳が止まらなくて煙草も喫えなくて無給の休暇だけ過ぎてく
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知らぬ間に日は暮れ窓に現れるひとつの烏、自分の虚像
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六月の風を受け舞うカーディガン、烏のような翼を感じる
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サラダ油を使わぬあなたのキッチンに並ぶオリーヴ油とごま油
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旅先で買った紅色のうちわを握って眠る雨上がりの夜
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ライフセーバーを失ったわたしは一体どこへ流れていくかな
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泣く気力さえ残っていないのに雨は降りはじめ窓だけ濡れる
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もう溝は修復できないようだと雨の降る直前の夕方
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あなたから返事を待てず眠剤で眠りに落ちる危うい夜更け
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咳が長引く病み上がりでも止められぬ帰り際のピース6mg
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あなたと四百キロ離れてて同じ時間を生きてると思えぬ
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職場への足取り重い月曜日早く定時になれと願った
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雨の降る薄暗く冷たい仕事帰りに傘を差し道を行く
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立ち止まってしんどそうにうつむくあなたに声をかけられなかった
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友の乗りしバスを見送りながら幸あれと願う兼六園下
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瓶ビール水のごとく飲みふらふらと店を出てゆく無口な脚
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あと一度機会があったならばあなたと再び友達になろう
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海馬から唯一離れぬ心理学わが心を理解する術
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さようなら言いたいけれど届かずに送り続ける言葉の行方は
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