Utakata
登録
Login
とりふね
フォロー
9
フォロワー
4
投稿数
29
月が欠け たからといって なんだろう 梨も齧れば 消えていくのに
3
何かを美しいと思ったとき、その分だけ人生は空白になる
1
土砂降りに 傘もささずに 歩けども 世界の終わりは 来るわけもなく
2
土曜日の 授業終わりの ながい午后 雨降る路地で 天使が死んでいた
2
みょうが谷 と君が言って 去っていった あれはいったい と、ふと思った
1
交差点 西瓜が堕ちて 砕け散る 真白の表に 蝉はしぐるる
0
コンビニの 大盛り焼きそば 啜りつつ 麻雀を打つ 丁寧な暮ら死
1
朝焼けの 街は凛として 冴え渡り 果てまでも連なる 電線の柱
0
青空を 切り取る四角い 鉄格子 なにを思わん 縊死を待ちかね
0
数式は たった一行で 世界を担う きっとそれは 短歌も同じ
2
ちふゆさん(十四歳)
0
在りし日の 真夏の夢は せせらいで 西瓜を洗う 風鈴の音
0
退屈が わたしを縛りて 首を絞む 見やれば爪が 伸びたままで
0
バス停で 雨を凌いだ 水無月の 濡れて輝く 紫の詩集
1
図書室で 初めて太宰を 読むときの 夕陽に染まった がらんとした部屋
0
道端に ネギが一輪 咲いている 誰もその意味を 問うたりはしない
2
憂鬱に 輝く葡萄を ひとつまみ 舌で転がし 夜を過ごした
2
なんだろう、 と言うときの 彼の顔 清々しいまで 世間を舐めてる
1
お前のためだと 叱るお前の顔は エゴの見え透いた 粘土の塊
1
不幸ほど 死んだときに 綺麗に輝く星になる そんな嘘を 誰かが吐いた
0
ほし空は 宇宙を流れる 墓標のようで 誰かの死を 弔っている
1
夢のなか 電車の窓から 海を眺める 君は果てしなく 夏のまぼろし
0
結局は、 いつもわたしは 繰り返す 結局わたしは 何がしたいのか
0
隣人は 夜中に決まって 奇声を上げる この世の全てヲ 背負うがために
1
間違えた と思って焦って また失敗 生まれたこと自体 過失なのです
2
夏風に ゆれるのぼりは 波のよう 冷やし中華、 はじめました
2
死にたいと 思っていた頃の 路地裏は 眩暈に廻れる 昏い迷宮
0
約束は 果たされねども 行く鳥は 新たな島へと 向かう夏風
2
とりあえず 世界が終わって きみを訪ねる つゆも知らずに 寝ているきみを
2