Utakata
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しづき(失言工房)
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ふだんは詩を書いています。短歌はまるで初心者です。
ぞうぞうと騒ぐ緑は神楽鈴てるてる坊主は山を眼差し
1
人が背を丸めて咽ぶさまに似て森の波打つ雨の乱数
1
夜に身を沈めてもなお透明の夜を飾れる田中の鉄塔
2
厚ぼったい闇を染ませた雲裂けて銀で仕上げた月までの距離
0
ひきこもり慣れた道のみ往く日頃たまの遠出の緑に夏知る
2
事故渋滞好奇と鬱憤込めた目が一時遅らす速度回復
0
ググったら配置心得知った気が夜に仰げば星座の巨大
0
降り積もる皿の吸殻その屈折事の重複時の重複
0
宛もなくくものまにまに剛毛をせわしくうごかすアスピディスカ
0
無人島白く染めた肉は去り草原に見つける井戸と墓とを
0
鳴きなれぬウグイスを録る亡き父の藪割く足も残すボイレコ
1
便箋の折目ひらいて芳香は遠い人へと方位を示す
7
陽の叩くいえない思いで駐車場記憶にのみ打つ柱時計
0
期待はずれの雪道をキタキツネ沈んだ地表置き去りの生
1
冬に生き春を知らずに死ぬ日々を今日限りと断つ春へと
疾走
(
はしる
)
0
遅咲きといっても雨のち芽吹くなら鮮血に咲く青春は青春
0
死ぬ日へと
圧
(
お
)
し殺してきた
掌
(
たなごころ
)
家出少女の遅咲きの青春
1
殺されるよろこび知っているからね君の罵倒に愛されていた
2
冬日さす窓の内の温暖に煙草の青い煙の靡く
2
だれしらぬ風のみなもと吹き来てし花葉ゆらせる
百四十文字
(
ももよそもじ
)
よ
1
赤黄灯の隣り合わせに孤立する高速道路朝もやの街灯
0
唐衣隠れ家出でて空梅雨のさびしき芝ふむ浜までの道
0
うす絹が肌を撫でる冬の雨 首をすくめて長靴を履く
1
まだ慣れぬ
情
(
こころ
)
七五に織る
技術
(
こころ
)
ならべつ削りつ入れ替えつしつ
1
目をみはる星をゆびさしあおぐ空 幾光年の君のまなざし
1
古書店のパラフィン越しに読む題字 日没そとは冬曇りの月
4
足の悪い人馴れしたるハクセキレイ食を目当てに昼のコンビニ
3
忘られた言葉は君の声をして冬曇りの下を帰ってくる
1
今日の血を片付けつつ聞く豚の声あす屠られる月夜のしずかに
2