TUTU    フォロー 10 フォロワー 10 投稿数 33

こころのままに詞のにほひゆく

なぜだらううみのまぢかにゐるやうなたぶんさういふひとなのだらう 

みるままにさういふひとのいきをせよすればするほどほろびあたらし 

夏すがたとうめいにしていまもなほゆきふるうみに真向かひをらむ 

潮さゐの流れそむなり夕さりの路地の迷ひにわれもいつまで 

てとてをつなぎ飛べたとき めとめをあはせ墜つるとき 晴、こんなにも 

墜ちてゐるぼくらふたりの下に冬、さらにおほくの白きものたち 

なにかいま崖の上より駆けて来ぬすでに終はつてゐた冬である 

潮騒の部屋がわたしの奥にあってときおりふいに入りたくなる 

こうやって傷をひらくと海沿いにすこしのあいだ町がみえます 

そうあれはたしかにわたし海を背にわたしのいない窓をみている 

啼くなりもろともにひかりひかりてえこそみわかね 

くらやみに小舟が着くとしろい闇ころがつてゐる蕪になつて 

、そのかたはらにめまひする、われてふ自明これもまた、光源である。 

暮れ方の白い花から白い眼でおいで世界へさるすべりして 

、花の芽を捧げるやうに枝が伸びそこに、そこより、死の生起する。 

「火」と言へば〈火〉のれし日の山吹にああまたしても時だ移ろふ 

眼の奥に火を灼く火などなきものを見らるるままに火は灼かれたり 

出雲なるうみへいかうぜふゆのよに御子左家の青年はいふ 

かしこより色遣る花のあすまではなほとどまらむ僕は野へゆく 

ゆゑもなくゆふべむかしのそらにゐてひむがしとほくたれかとどめし 

そは夏の灼けつく松の林ゆゑ風だに灰のいろに吹くべし 

目にくくむ花のにほひはうばたまのやみのまにまに渦となりゆく 

雲とぢてあらずとも思ふそなたより雨そふ夕はあらはれぞゆく 

見ぬそらのいろほのめかすひとふしを白雨の窓にうつりてぞ聞く 

くるるよりきゆる椿をゆくへとて葉擦れのおとにまきれぬるかな 

ともし火とともにひらくる蜘蛛の眼に慕ひきにけり雪のささめき 

はるか地のはてに光りの溜まりあればやがて死海と名つけたまへり 

身にあたる闇夜をはらふともしびは塵も焦がるる洗礼者ヨハネ 

雲さむき雪げのそらにこゑはすれどひと羽ふりしておもひやすらふ 

いのれども雪よりしろきかげはなしこゑとどまらぬ明け暗れのまど