Utakata
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春良
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壁打ちと供養
お金では買えないものを大事にするなんてことがしたい侘しさ
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白線を辿りて帰る孤独さえ夜を越えては歌へとなりぬ
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有限のカナリアの声分水嶺次は言わせてくれますように
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先に立つ影を燻らせ金木犀またねと手を振りそれじゃあ夢で
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制服をもう着ることのない私はいったい何になったのだろう
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私だってただ寂しいだけの人間でした。幸せではないけれどもういい 。
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息を吸い背筋をのばすその程度虚勢に基づく背の裏の心
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美しさに踏み潰されたキャンバスとどうせ死ぬなら花緑青で
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卒業式の帰り道、答えのいらない告白のあと、諦めた時のような清しさ。
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拾い上げ大事に抱えてきたはずが持たされるなら苦しいばかり
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ビー玉の音に重なる相槌もただ好きなだけ全部夏のせい
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野良猫だって僕ほど孤独じゃないだろう温みを抱えまた雨に濡れ
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良い映画を観た後に何をしたらいいかわからない
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夜明けまで堕ちる速さで駆けてゆく残響ばかりはせめて優しく
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歌によせ鉢花ひとつ幸福の覚めては蜜の残り香よすが
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応酬の向かいの列車に惹き込まれ身体はレールの循環の上
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幾年も天の淡いを行き交いてそれでも今年もあなたに会いたい
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近況も想いも乗らぬこの筆は尚動かざる前略草々
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一葉の吹かれて舵は取れぬとも挫けず凜とこの夜を往く
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蜂蜜に朝陽煌めく食卓で時計に合わせ揺れるカシオペイア
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瘡蓋の剥がれた痕の艶やかな新しい心悲しくはない
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古池や彼の日の声は岩に沁み森と静まる耳に木霊す
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湯を沸かす雑じり気のない透明に透かさずそっと色を一差し
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重石にはならぬが酷く冷ややかな死にたい気持ちも抱いて生きてく
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鋭き葉作らず生まれ散るばかり柔らかき芽は作らねば出ぬ
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足元の誰とも知れぬ跡を踏む雪の音を聞き春を想えば
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