ふつうのサラリーマンです。
種が落ち綿毛はどこへゆくだろうこのやさしげな風にまぎれて 1
刺すことのあれこれ知らず幼児は「さしみさしみ」とひくく歌えり 2
あれくるう大吹雪の夜が白ばんでどの家の窓もひどくケロイド 1
はくしょんにギターはばうおうんと鳴るタケにスタメン奪われた日に 1
雪けむり除雪機は噴く晴れの日にきえゆくまにま陽のいろの舞 3
「稽」の字をちゃんと書けるか確信をもちやらぬうちもう「尤」だ 1
のび太くん、どこでもドアを壊しましょ。ここはふたりでいっぱいだから 5
■■■■のお悔やみの欄(奥様の御名前)隠した黒いマーカー 2
君君君君君君君 ああ、君は、文字数合わせで来ただけの「君」 8
ドリップは滴るという意味であるトリップでなくドリップしたい 4
氷舐め舐めた舌にて頬を舐めファンデーションは今日も美味なり 3
ここまでに一度も会ったことがない顔といっても ふつうの顔だ 1
プールでもあたたかい箇所がありましてそのぬくもりは布団に似てます 4
白きもも味わいたいと撫でいればいいひびきねと開くくちびる 3
いつまでも親指のままでいたならばLikeyを知ることはなかった 2