かたつむり  フォロー 0 フォロワー 0 投稿数 17

夜とにらめっこしているとまれの文字三日月になる日を待っている 

野良猫とおなじ目線になったとき、なれた気がする野良人間に 

ペットボトル三兄弟は猫じゃなく夜をよけるきらきらを放つ 

遭難したきゅうりをはげましながら上空から見つめているぼく 

親指は多感な時期をのりこえて深爪されてもおだやかでいる 

くたくたの名刺を一枚だけ持った排水溝と知り合いになる 

おだやかなヒートショックをつれてくるホットコーヒー扇風機の風 

あさやけとゆうやけの色は同じで、だから「時間」はないのと同じで 

沈みゆくふねを脳裏に浮かべながら茶店の椅子にしりを沈める 

うららかな春の光につつまれて凍えた鯖はかーでぃがんを脱ぐ 

ひらがなに牙を抜かれた「ぼうりょく」は白髪交じりの猫にはにかむ 

栞紐 大海原に放り投げ手繰る言葉は潮に任せる 

世界には猫しかいないことを知る朝でも夜でもない色の空 

灯台の代わりにたてた付箋なら帰る港を教えてくれる 

湯をためる間に短歌の本をよむ言葉と水がさぶざぶあふれる 

手をのばす頬が近くによってくる私はそれを「愛」と呼びたい 

西へ行き東へ行って追いかける扇風機の風ひまわりみたく