鹿野まち    フォロー 7 フォロワー 9 投稿数 44

上手に大人になれませんでした。

アナログに夢見ただけで手に取った回転しないままのレコード 

どうしても詠み直したい歌があり青春だとか苦手な単語 

如月の冷気震わす鳴き声よ撫でやりたい野良猫のあご 

思い出は良いも悪いも青色に詠んでしまうと呆気ない春 

仄暗い廊下の先に玄関の輪郭浮かび促す出社 

故郷こきょう出て一年未満のこの街でいつか吸い込む空気の味は 

暇になり父の後ろをついてゆき喪服着たままコンビニへゆく 

オーディション落ちたあの子に動揺し手を抜いた午後 そんな青春 

眠るのがもったいなくて短歌詠む明日あすは昼まで眠ると決める 

思い出す昨日の言葉もやもやとホットケーキが上手く焼けない 

プロフィール:真面目というのは呪いだが今日は自分を褒めてあげたい 

朝が来る出社したくない布団から出る瞬間に試されている 

鳴き声がかわいらしいと書いてある辞典がかわいらしいと思う 

明日あすがくる 寝るのが怖い フィクションの誰かになりたいただ笑いたい 

バス降りて向かいから来るバスに乗り今すぐ家に帰りたい朝 

インスタに賞与を載せるOLがいて賞与のないOLがいる 

鹿といた去年の夏が眩しくてニューノーマルのノーマルって何 

バイト行き十歳下の子に教わる現在地をまだ測れずにいる 

積読の中から一冊拾いあげ前の主の三回忌待つ 

三塁側とぼとぼ帰る僕の横走り抜けてく子供の背中 

帰ったら手首に二本腕時計パラレルワールド今収束す 

特選とシールのついた果物のようになりたい契約更新 

オンラインプラネタリウム待つ顔が暗闇の中画面に浮かぶ 

この街で星は見えない見上げない今は帰れぬ故郷を思う 

新しい掃除機欲しさに夢に出るあれはどこ製おいくらですか 

退勤し降りたホームで反芻す今日の私の発言リスト 

本屋まで歩いていこうと君が言う引きこもるには本が欲しくて 

気怠さで休んでしまった水曜日カーテンひらけず明るい十九時しちじ 

後悔は頑張らなかった自分宛 転送できずにまた明日あすが来る 

雨宿りしてゆけ猫よ凛とした黒き背中に言葉届かず