Utakata
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柴田 瞳
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同人誌や商業誌に掲載した歌から直近の歌まで、新旧ごちゃまぜで投稿します。noteでエッセイや小説も書いてるよー。
さよならが機能している街角で恋人たちは振り返らない
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これからもアイスの溶けない距離にいて 甘噛みされた耳に疼痛
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いくつかの台風のあと町を出る 行きがかり上恋しただけだ
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フレットを押さえるような自然さで約束交わす夜の講堂
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竿先に魚信微かにあるように予感はいつも揺らめきながら
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シャガールの絵画のようにふりむいて変な角度で口づけられる
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ほめられた服は忘れずボストンに詰める小さく小さく折って
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旺盛に僕は生きるよジェラートをそそり立たせる銀色のヘラ
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明け方の産業道路 ああもっと動体視力をつけなくちゃだめ
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アイロンの余熱でプレスするように少し続いた逢瀬を思う
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責めたこと責められているキッチンで小さな鍋が集めるひかり
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好きになりかけて忘れる途中まで溜めたスタンプカードのように
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ぴっちりとマスクを着けて眺めれば自粛できない若葉が萌える
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五月にもなれば誰かの熱を知る最後にあなたが褒めた指先
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眠らない世界の果ての図書館で甘いゼリーを啜っていたい
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耳元でわーわーわーと叫んでよきみをどろりと忘れた朝に
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でもいつかニトリの三徳包丁で刺し違えるわ遠い窓辺で
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底辺でわかりあえたら嬉しくて放恣な姿さらしてねむる
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後ろから修飾されてフランス語みたい 恋人、自由な、初夏の
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膀胱炎になってもいいからこの人の隣りを今は離れたくない
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この電車に一人くらいはいるだろう今日誕生日の人おめでとう
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つないだ手いつか手錠に変わってもいいと思っている月の下
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