新嶋樹  フォロー 17 フォロワー 18 投稿数 19

新人のタクシー乗りは駆けながら「ときには眠くなる」と答える 

パトカーにゆっくり抜かれ内臓をのぞきこまれる心地で歩く 

世界史の先端にいて今日もまたでかいキャベツを刻み続ける 

住人の三、二、一と消えていく二階の奥に住んだ六年 

とつぜんの雨に閉じこめられた駅抱き合う二人とその周辺 

怒り肩の人右肩上がりの人腕組みの人歩行者天国 

あんなにもきつい注射の後なのにまっすぐ歩く人ばかりなり 

ポケットに海のにおいをたくわえて眠る子どもの七度目の夏 

台北タイペイの映画カメラの隅っこで芒果マンゴーを売る老父になりたい 

夕暮れにからだ半分置いてきてもう半分は夜にふくらむ 

泣きごとをどこにしまっているものか大人がひとり傘をさしてる 

絡まったコード鞄につめこんで隣の人はずっと寝ている 

昨日まで空飛んでいた人なのに今日は訳知り顔で立ってる 

知っているあなたが今日も人知れず蟻塚の上に立っていること 

南米の小動物のことを知る忘れて二度と見ぬもののこと  

さわやかな羽が生えてたあのころをかゆい背中が思い出してる 

コンパスはまいにち踊りつづけてるあたたかい部屋でつめたい部屋で 

やまいだれ取ってくださいそうしたら明るくなれる気がするんです 

この文に句点打ったら次体育、読点ばかり走らせてる子