えんとつカフェ    フォロー 56 フォロワー 62 投稿数 178

気ままに営業してます。

この夏のおわりの森でトトロらがたき火をたいて灯した夕日 

新月のよるには月のB面の音色をきいてねむる黒猫 

音だけがタイムスリップしてきみのいた夏で鳴るこわれたラジオ 

革ジャンの父のうしろでならきっと一番星まで走れたバイク 

過去にいくタイムマシンということを老人と犬だけ知るベンチ 

ハモニカとともにバッグに入れたから夕日がつんと匂うTシャツ 

屋根裏のベッドでねむるとき星のこえに眠りは妨げられる 

置かれると捨てられてるの中間で手すりの傘は滴をたらす 

おしまいに今日も夕日がきれいだと書き日報を案山子は閉じる 

惑星も軌道を逸れたいときがありうんと遠くをゆくかえり道 

屋上に缶チューハイがありきっと誰かが星と会話した跡 

夕暮れに鳴る踏切はこの町にあるさびしさの数かぞえてる 

お茶碗の土に枯れ葉のかつ丼で自供をせまるこども警察 

月食がはじまってから終わるまでほんのり光る棚のオカリナ 

ジャイアンもひとり土管に座りこみ星を見上げる夜くらいある 

黒猫のあるいた跡が星になるたらいのミルキーウェイを舐めて 

波音が聞こえるという真夜中の駅のはずれのコインロッカー 

自転車にはじめて乗れてともだちのリストに風も入れた小三 

もう場所も忘れた森の隠れ家で一番星に吹いたハモニカ 

そらを見る人それぞれにそれぞれのあの夏があり快速が着く 

円盤に襲撃されるひとのように猫はルンバに追いつめられる 

満月がきれいな夜は夢を出てトタン屋根から猫と見上げる 

廃校の図書室にある詩集からこぼれて花になりゆく言葉 

この町のかたちは猫に似てるので時々地図から消えたりします 

持ち主のまどろむ隙に本をでて名のない猫も散歩する春 

捲られる季節に雪のひとひらの栞をはさみ冬を詠むきみ 

段ボールだらけの部屋でオープニングテーマのようにかけるミスチル 

その通り、わかりますよと遠吠えにしきりに頷く窓の赤べこ 

日焼けした肌が剥がれて少しずつぼくがおれへと脱皮した夏 

幼くて恋をしらない甥っ子はデートのことを遠足と言う