えんとつカフェ  フォロー 46 フォロワー 46 投稿数 163

気ままに営業してます。

亡骸のすずめをくわえ草のうえ寝かすリードの先の慈愛は 

食べ終えたぶどうの皮を吐ききみは夜にむらさきの色を付け足す 

この星の寝息のような波音をながす終わったあとのFM 

口笛でだれかが飛ばすさびしげな色の音符を拾うまよなか 

紛れれば夜はやさしく包みこみ影もじょうずに隠してくれる 

ねむれずに夢になれない夢の数かぞえるような真夜の踏切 

そこに行く理由はいろいろあるけれど海は問わずにただ波を寄す 

ゆく季節ときの忘れものです麦わらの底にたまったままの潮騒 

こわれてるオルゴールからあふれだす音色は母の耳だけで鳴る 

てのひらに液晶のある未来ではさよならのたび舞い飛ぶほたる 

鳥よりも先にみなみの国からの花嫁がきて町に告ぐ春 

この夏のおわりの森でトトロらがたき火をたいて灯した夕日 

新月のよるには月のB面の音色をきいてねむる黒猫 

雨色のファイルにしまう濡れたまま乾くことなく終えた初恋 

音だけがタイムスリップしてきみのいた夏で鳴るこわれたラジオ 

革ジャンの父のうしろでならきっと一番星まで走れたバイク 

過去にいくタイムマシンということを老人と犬だけ知るベンチ 

ハモニカとともにバッグに入れたから夕日がつんと匂うTシャツ 

屋根裏のベッドでねむるとき星のこえに眠りは妨げられる 

置かれると捨てられてるの中間で手すりの傘は滴をたらす 

おしまいに今日も夕日がきれいだと書き日報を案山子は閉じる 

惑星も軌道を逸れたいときがありうんと遠くをゆくかえり道 

屋上に缶チューハイがありきっと誰かが星と会話した跡 

夕暮れに鳴る踏切はこの町にあるさびしさの数かぞえてる 

お茶碗の土に枯れ葉のかつ丼で自供をせまるこども警察 

月食がはじまってから終わるまでほんのり光る棚のオカリナ 

ジャイアンもひとり土管に座りこみ星を見上げる夜くらいある 

黒猫のあるいた跡が星になるたらいのミルキーウェイを舐めて 

波音が聞こえるという真夜中の駅のはずれのコインロッカー 

自転車にはじめて乗れてともだちのリストに風も入れた小三