えんとつカフェ  フォロー 30 フォロワー 30 投稿数 117

気ままに営業してます。

押入れのコタツにもぐる冬休みキャラメルコーンと星座の地図と 

書くことをやめた詩人が一行の詩のように立つ冬のベランダ 

走り去る車がのこす静けさと潮騒を聴く海辺のポスト 

少年が吹く横笛にごくたまに小鳥が一羽とまるマネの絵 

はくちょう座をつなぎ相合傘にしてそっと名を書く冬の織姫 

消し忘れられた座敷の豆電球そっと見守る亡き祖母に似て 

駅ごとに子供のわたしを脱ぎ捨てて大人になって降りる東京 

遠吠えはさびしい月ではねかえりさびしいぼくの窓辺に届く 

いつの日か星のひとつになるだろう聖夜にきみが吹いた口笛 

なにもない部屋だし棚のプーさんを森に帰して済む大掃除 

ふるさとを遠くはなれて住むぼくに夜汽車がはこぶシロの遠吠え 

夜の川に壜を差し入れ星々のきらめき掬いつくるサイダー 

風をゆく鳥につぶやく頑張れが窓で反射し自分に返る 

水たまりの数だけ月はあるらしい蛙は思い夜の畦を跳ぶ 

八月にきみとつくった砂山の遺跡をふゆの浜辺でさがす 

街路樹が秋の輪舞ロンドを踊りきるまで舞うことを雪はためらう 

100万回生きれば愛すことを知る猫の今世を抱きしめている 

両腕を大きくひろげ透明なうつわになって受けとめる雪 

乗り越した駅の分だけかなしみの数をかぞえて眺めてる海 

鳥になどなれないぼくは口笛で十代だったこころを飛ばす 

さびしさという名をつけるこすったら掠れてしまうまひるの月に 

電線に夕のひかりを貼りつけてひととき町は鳥かごになる 

むくどりの絵柄の時計右腕でしずかに森の夕べを刻む 

星ひとつ窓にながれる鍵盤のさいごの音の余韻をつれて 

夕暮れのイギリス海岸貝殻の化石と賢治の足跡さがす 

燃やされた枯れ葉はやがて雨になり生まれた森の木々を潤す 

土にすら還れぬ枯れ葉のかなしみを貼りつけたまま革靴をぬぐ 

いつ見てもテナント募集の空き部屋に夕日がそっと間借りして住む 

うつくしい声を聞きたいから歌を思い出すまでカナリアを飼う 

フウの木の街路樹がある町並みを風に近づく歩幅であるく