Utakata
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えんとつcafe
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フリスクみたいな歌。
鈍感なぼくにわからぬ花の香を嗅ぎ分けきみは風のソムリエ
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水草がこころにあればとまらせるトンボのようなきみの鼻歌
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読書灯つけたまま寝る虫の字がとばないようにページを閉じて
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えさ代の分はスリスリしてくれるわきまえ顔の猫の出迎え
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夢の字の最初の横線引くように少年が蹴るシュートの軌跡
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速報が会話の途中で入るようにあっ、一番星ときみが指さす
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カーテンもまだない部屋でもう一つトッピングして食む月見そば
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食あたりしそうで生の感情は湯通しをして食卓にだす
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家猫の寝ていた跡が座布団にしずかに残り今も寝ている
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下塗りの緑を塗って画用紙に森を眠らせ描くニュータウン
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馬車だったカボチャを鍋で煮て食べて魔女は一夜の恋を味わう
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口にこそしないが蟻はキリギリス弾くメロディに癒されている
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列島があおく染まった天気図で滴のようにしたたる奄美
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電柱はふかく刺される抜け出して夜中に散歩できないように
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雨後の葉をそっとゆらして雨蛙いちばんちいさな虹として跳ぶ
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ペン立てを春の林にしたくなり色えんぴつの植林をする
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七人の神様たちがくっつけている米で貼る祖母のちぎり絵
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本たちの艀とおもう書棚には錨のような人がいて邪魔
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てえへんだみたいに鳴いて雨どいを長屋にしてる雀のつがい
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生活は栗鼠にもあって隠してた木の実を忘れ木の実を探す
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複製のモネが飾られそよ風の詰め合わせめく初夏のギャラリー
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今だけは頑固おやじのいる家が藤の花咲くご近所になる
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