えんとつカフェ    フォロー 33 フォロワー 33 投稿数 130

ドングリ県山猫町在住。

絵の具借りきみが見ている涼しげな青で九月の海辺を描く 

掴みたい夢がきみにはあるようにぼくに触れたいモフモフがある 

屋根裏に魔女がいそうな家なのに魔女がいなくて借りそびれてる 

赤や黄のモミジが散ってゆく道を万華鏡のなか行くように行く 

縄張りの確認をする犬のように故郷の変化をチャリにて巡る 

パソコンをつけたまま寝て間違えて誰かの夢にログインしてる 

きみからのお勧めばかりで本棚が優しいことばに占領される 

重ね置くルイス・キャロルは真夜中に不思議の国への階段になる 

鳥のように音が並んだ小窓から飛びたつ銀のハモニカ吹けば 

密輸するようにリュックを子は抱え300円越すおやつを運ぶ 

貝殻を電話のように耳にあて海に居留守を使われている 

人ごみできみの声だけ掬うため耳はスプーンのかたちをしてる 

一本ずつクレヨンを買いこの町の文具屋ぜんぶ縄張りにする 

ひとつ増えひとつ消え去り星空で神様たちがしているオセロ 

洋上で生まれて消えた台風の隠し子みたいに着いたヤシの実 

カーテンの隙間にうかぶ満月に夢を覗き見されてる夜更け 

進まない乗り物だけどブランコは空から空へゆける乗り物 

計画のない旅なのでカーナビに方向音痴機能をつける 

手品師の乗る列車では客たちの鞄でときどき鳩が顔出す 

流星雨の夜をめくるとかみさまが線香花火をする手がみえる 

鈍感なぼくにわからぬ金木犀はなの香を嗅ぎ分けきみは風のソムリエ 

窓際でノラの尾がゆれ招待をされてるらしい猫の集会 

夕暮れはたぶんこころで口ずさむスタンドバイミー保線のひとも 

ベランダで煙草をともし知らぬ間にきみは何かの標的になる 

放っとくと溢れそうだし丘にある校舎で星の元栓しめる 

降る星がきれいな音で鳴るようにガラスのうつわを草原におく 

泣くひとの群れに弾かれ見も知らぬひとに焼香してる火葬場 

アパートを選ぶときには駅よりも最寄りの海を気にして選ぶ 

屋上の金網越しに鳥が過ぐ街に飼われるぼくを見下ろし 

そらを飛ぶ順番待ちをしてるような満月の夜の放置自転車