バッテリープリーズチャージ　繰り返し言える電池はまだあるんですね  1

できるだけ借りを作らぬようにして　ひっそり別れの準備始める  2

天気雨　塵もひかりも軽やかにすくって　わたしに降りそそいでる  1

晴天とメランコリーのちぐはぐを　繋ぎ合わせるマクドナルド  0

柄を向けて刃物を渡す君の癖、右手の血まで　すべて愛して  0

かき鳴らすエレキギターが響く部屋　静かな宇宙で眠る隣人  0

惑星を遠い未来に旅立った私は 地球で過去を生きてる  1

強風と大音量の音楽で　かき消す感情　夜の高速  6

同じ場所　健気に回る観覧車　私が泣いて笑った年月  2

窓の外　雪解けの音に耳澄ます　ねむりにつくまでカウントダウン  2

全員が同じ方向見て祈る　わたしたちにも宗教はある  6

おめでとうだけで繋がる人たちと　年に一度繋がり直す  2

もう一度君に見つけてほしいです　願いながら君を探してる  2

人間が絶滅した後　その理由考えている未来の恐竜  3

北からの長距離トラック雪のせて　君の街から冬を運ぶ  2

もう二度と会えないあの子SNS眺めて　別の未来を夢見る  0

隕石がぶつかり　みんな気づかずに死ねたらいいねと　晴れ昼下り  1

瞬いた洗浄液の海の中　アイシャドウの星空ひろがる  2

丁寧に爪を塗りつつ考えるあなたのことを　金曜深夜  1

死にたいとつぶやく度に　少しずつ細胞レベルで叶えられてる  4

一人見たイルミネーション　午前二時　自己満足が救いに変わる  1

重要と自動で振り分けされていたあなたのメール　気づかぬままで  0

花火にアイス、散歩にしりとり 　君に誘われて嬉しいもの  0

あの日見た、いわしは今は空にいて　見上げる度にタイムスリップ  0

丁寧にお菓子の箱の裏側を切り取り飾る 　君の背中が   0

水面の影を月が足に宿し　露天風呂にて　人魚に戻る  0

心臓の音があなたのものよりも心地よくて　こっそり泣いた  1

スマホ落ち画面が割れてうなだれた　落ちてた場所に潰れたありんこ  0

朝10時仕事抜け出し　カップ麺　罪悪感で世界と折り合う  1

銭湯で同じ番組見て笑い　見知らぬ人と一瞬の家族  1