葵花  フォロー 7 フォロワー 4 投稿数 29

うたよみんに投稿した歌を移動させています。
一日一首を目標に。

繋いだ手だけが二人を繋ぎ止める唯一無二の方法だった 

圧倒的な群青色の潮流に飲み込まれれば塵と一緒だ 

寒いのは冷気のような恋情が部屋を冷やしているからだ、きっと 

誰にでも優しいところが好き、誰よりも絶望させるのが上手い 

壊れかけのイヤホン耳に家を出る遠いボーカル喧騒に溶けて 

正面の君と世界は共有できず同じ糖度のコーヒー飲んでも 

階段を一段飛ばしでのぼればきっと一面に夕焼けの街 

歌声はバスルームに反響しては曖昧な夜を越えてゆくのさ 

赤々と燃えるわたしを抱き締めてそのまま逝ってもいいと応えて 

自販機で要らない心を売らせてよ失恋のボトル一つ百円で 

忘れない見上げた君の耳たぶに遠く三日月揺れていたこと 

朝方に水道水を飲むたびに私の身体は月に帰れり 

窓越しの青信号が憎らしい開いて去ってく傘を睨んで 

あなたにも言えない秘密がひとつだけわたしの宇宙に取り残されてる 

気付いたら呼吸が浅い午前二時空に月すら見えない夜だ 

足早に別れの言葉聞かぬまま去りゆく人影霧雨に溶け 

午前二時俯き歩く彼女には彗星が降る夜空は見えない 

なにもかも白紙に戻して抱き締める最後と呟く涙声さえ 

ふときみと別れた理由を思い出し感傷に浸りたくなる僕は、夏 

心音も体温すらも遠すぎてネオンサインは静まり返る 

きみはまだ、妖精たちを追いかけて鬱蒼たる森さまよっている? 

緩やかに歩みを止める僕たちを抱く眩しい白の陽光 

きみがいま死んでくれたら永遠に好きでいられるのにかなしいね 

カーテンの裾から差し込む夕明かりぬるいシーツと素足を染める 

雨に滲むテールランプの流星が私を夜に置き去りにする 

ぺらぺらと動くくちびるが憎たらしいね風が強くてよく聞こえない 

どうしても口にできない幸せを缶コーヒーで流し込む夜 

睡るきみの首に回した手のひらをすりぬけていく月のひかりが 

出来合いの唐揚げ弁当が冷めてゆくあらがえない時間と欲望